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やっちゃった

 最悪の展開だ!


 別に、敵が攻め込んで来たわけでは、ないよ。

隣の国は、

今、戦の準備で忙しいらしい。


 やらかしてしまったのは、

英雄召喚だ。


 一度、高額で、お宝を買ってしまったのが、

運のツキだったのかも知れない。

商人達は、

お宝が手に入ると、

真っ先に、

私のところに持って来るようになってしまった。


 今回持ち込まれたのは、二品。

一つのダンジョンから、

同時に発見された物だ。


 一つ目は、例の英雄召喚グッズ。


 二つ目は、

火炎のブレスの種

だとか。

ドラゴンの素材になるらしい。


 もし、

今度攻めて来る隣の魔王が、

日本人の転移者なら、

ドラゴンを作りたいだろうな。


 私も見てみたい。


 でも、私の場合は、

軍隊を持たないので、

ドラゴンがいても、

使い道が無いし。


 それに、

ドラゴンとか、

維持費が無茶苦茶かかりそう。


 そんな私に、

商人は、

「敵がドラゴンを手に入れても良いのか?」

と、唆してくる。


 戦争ほど儲かるものは無い


 確かに、今も、こうやって、

高い品物を売り付けられている。


 商人からすれば、

今回の戦いは、

引き分けに終わってくれるのが、

理想型なのだろう。


 特に、私さえ生き残れば。


 私が最後の魔王として現れるまでは、

異世界は平和だった。

だが、

私が平和主義を唱えると、

ネトウヨ魔王が反応し、

商人待望の戦争が始まろうとしている。


 商人達は、私を、

争いの種

と、見ているようだ。

私さえいれば、

戦はまた起きると。


 だから、

他の魔王なら飛び付きそうな

ドラゴンの素材

も、

私のところに持って来る。


 結局、二つ共、買ってしまった。


 ドラゴンや英雄が、

敵の手に渡っても、

別にいいかな?

とは、

思っているのだが。

 

 今度こそ、明智光秀を引けるかな?


  浅はかな考えが、

頭を過ぎちゃったんだよね。

結局、

人間なんて、

自分は特別!

神に選ばれた!

と、信じている。

 

 それで、

呼び出したのが、何だと思う?


 ウウッ、

西太后

が出て来てしまった。


 えっ?

英雄って、

男じゃないの?

日本人じゃないの?


 最悪の展開だ!

国が乗っ取られてしまう。


 召喚されるのが、

西太后だと知ってさえいれば、、

敵の魔王に譲ったのに。

そうすれば、

隣の国は、

戦争どころではなかったハズだ。


 出て来た西太后は、

大柄で迫力のある女性だった。

凛とした美しさがあり、

若くて綺麗な姿で現れたようだ。


 足元を見ると、

かなり大きい。

この時代の中国の女性は、

纏足

かと思ったが、

女性の労働力を必要としている家庭出身

ということか?


 西太后の評価は、

希代の悪女から、

清王朝を守った国母まで、

多岐に渡っている。


 でも、

経済力に恵まれない家柄から、

権力を独占したのだから、

有能なのは、間違いない。

 

 国が盗られる。


 彼女を政治に関わらせてはならない。


 何とか知恵を絞って考え出した答は、

女を封じ込められる場所は、

一つしか無い

ということ。


 美の世界だ。


 美容と健康、それにグルメ。

この三つに頑張ってもらって、

西太后を、

腑抜け

にしてもらおう。


 そうだ!

彼女にも、エステをやらせよう。

西太后をエステのトップに抜擢して、

エルフの女達と対立させよう。


 怪獣を以って、怪獣を制す


 希代の悪女 vs 百戦錬磨の風俗嬢


 凄まじい戦いが待っている。


 あとは、

土方歳三を使おう。

たしか、

彼と西太后は、

同い年のはずだ。

土方歳三に、

全てぶん投げて、

私は、安全圏まで逃げる

ということで。


 共産主義魔王

滅亡まで、あと十二日。




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