亡霊との戦い
何も変わらなかった。
南方国落城の知らせに、
これで終わりだ
と、
一瞬、楽観していたのだが。
南方国軍の歩みは、
止まらない。
正方形の陣が、
乱れることなく、
こちらに向かって来ている。
南方国の魔王は、
すでに、詰んでいる。
居城が占領されてしまっているのだから。
でも、
その事実を、
彼は知らない。
南方国城が落ちても、
魔王のコアさえ破壊されなければ、
実は、
何の影響も受けない。
ううー、知らせてー。
貴方の城、
落ちちゃいましたよ
って。
絶対に、
信じないだろうけど。
何か、上手い方法は、
ないもんかね?
私がくだらない妄想をしている間にも、
敵は、
進軍し続けている。
ただ救いなのは、
移動速度が、
異常に遅い。
でも、
亀の歩みを見ていると、
何故かイライラするんだよね。
あの巨大な正方形が通る道
なんて、
存在しないから、
仕方がないことなんだけど。
それに、
あの密集陣形がね。
敵の魔物は三倍クラスなので、
ネトウヨ軍のように、
地面に減り込むまでは、
いかないが、
それでも、
熱発散効率は、悪いだろう。
移動中に小川を見つけると、
魔物に水をかけて、
冷やしている。
あの密集陣形は、
熱がこもる。
やはり、
弱点は熱か?
たぶん、
視界に入るまでは、
一列棒状で進軍して来たのだろうな?
そうじゃないと、
時間がかかってしょうがないから。
そこを横から襲撃出来れば。
ここで、
真田の親父が挨拶に来た。
信長包囲網の諸国が、
南方国の出陣に呼応したらしいので、
山岳国へ行くのだとか。
山岳国は、
周りを山に囲まれているから、
まだ、
敵が侵入して来ていないそうだ。
私の国では、
もう、
目の前に敵がいるのに!
真田の親父は、
そんなこと、
サラサラ気にしていないようだ。
亀の大型魔物の
水上交通を利用して、
山岳国へ行くから、
陸上の敵は、
関係無いんだけど。
「マリーアントワネットを、
連れて行くように」
と、
私が言うと。
「これで、
敵を蹴散らせる!」
という返事が、
真田の親父から返って来た。
真田の親父は喜んでいる。
一体?
どうやって?
マリーアントワネットで、
敵を倒すんだ?
確かに、
彼女は、
亡国の最終兵器だが?
その方法を、
尋ねようとしたが、
真田の親父は、
下がってしまった。
土方歳三が、
献策に来たから。
土方歳三は、
淀君襲撃事件で、
名前を使われた事を気にしている。
左翼は、
そんなの、
慣れっ子なんだけど。
前世の日本では、
何でもかんでも、
左翼がやったことになっている。
マスコミは、
左翼なのだとか?
そんなに左翼がいるのなら、
正当な選挙が行われてさえいれば、
共産党が第一党だろうに。
話はズレてしまったが、
土方歳三の提案は、
明智光秀ごっこ
をしよう
というものだった。
本能寺の変の時に、
織田信長が死んだ
という知らせを、
毛利に送ったが、
何故か?
豊臣秀吉が、
これを受け取ってしまう。
そして、
豊臣秀吉は、
何故か?
これを信じ、
戦場から撤退してしまう。
これを再現しよう
という話である。
まあー、
無理だと思うよ。
作り話を再現するのは。
だいたいさー、
その密書を運んだ諜報員、
よほど優秀でなければ、
そんな仕事をしていて、
生き残っているわけないよな。
それに、
よほど実績がなければ、
そんな重要な仕事を、
明智光秀が任せるわけない。
でも、
土方歳三は、
間抜けな諜報員を演じて、
わざと、
南方国軍に捕まるつもりらしい。
これって、
土方が死ぬのでは?
共産主義魔王
次の戦争まで、戦争継続中。




