そりゃ、ないよ
勇者の剣の台座が完成した。
三日前に、
ドワーフに注文しておいた物だ。
あの時は、
日用品を作って
みたいな事を言ったら、
ドワーフから涙目で睨まれて。
慌てた私は、
勇者の剣の台座を
と口走り。
それで、
結局、
勇者の剣を奉納してもらうことに、
なってしまった。
勇者の剣は、
元々は、
盗賊のスキルを持った
冒険者パーティーが、
使っていた剣である。
その剣を使って、
ネトウヨ魔王のコアを破壊したので、
壊した冒険者達は、
勇者様となり、
剣は、
勇者の剣の素材となった。
ちなみに、
魔王のコアが壊れると、
聖なる素材になるらしい。
それで剣を作ると、
聖なる剣が出来る。
聖なる剣には、
自動修復機能と、
自動回復機能がついているのだとか。
話はズレたが、
その勇者の剣の素材を、
台座に刺し、
魔王クラスの魔力を込めると、
勇者の剣が出来上がる。
その勇者の剣を、
台座から抜けるのは、
神に選ばれた者だけ。
もちろん、
その勇者の剣を手に入れた者は、
私を倒すことも、
出来る。
でも、
その場合、
勇者の剣の魔力源が、
無くなってしまうので、
元の、
古びた剣に戻ってしまう。
苦労して、
私のコアを破壊し、
得られた恩恵が、
勇者の剣だけだったら、
笑えるよな?
その、
勇者の剣の台座の
置き場所だが。
北側
川
池 城 池
川 池 池 池
落とし穴 川
西
側 堤防 川
先の戦争では、
ネトウヨ君は、
城の南側にある堤防の上から、
一体の魔物を、
突撃させた。
堤防の北側には、
落とし穴が有ることを、
知っていたのに。
突っ込んだ魔物が、
罠に嵌まり、
そのお陰で、
私は、
ネトウヨ君の財宝を、
手に入れることが出来た。
その財宝だが。
ネトウヨ城を落とした
山岳国の魔王も、
私が持っていることに、
気付いていないらしい。
その場にいた
勇者達の話に依ると、
傭兵達が逃げ出した時、
かなりの数の人間が、
宝探しのために、
ネトウヨ城へ潜入したのだそうだ。
魔物を倒してから、
遅れて入城した
六天魔王は、
戦場泥棒に持っていかれた
と、
悔しがっていたらしい。
もし、
本当のことを知られれば、
六天魔王が怒り狂って、
私のところに、
攻め込んで来るだろう。
話を元に戻すと。
全ては、
ネトウヨ君のお陰だ。
それを記念して、
突撃の際に、
魔物が出発した堤防の上に、
勇者の剣の台座を置こう。
そこに設置すれば、
人々が集まって来て、
堤防を踏み固めてくれる。
江戸時代の日本でも、
堤防の先に、
吉原の遊郭を作って、
堤防を、
より強固なものにしたらしい。
桜も植えて、
さらに、
人々が訪れるように。
私も、
桜を植えるべきなのか?
まあ、
正直、
勇者の剣を奉納してもらって、
良かったのか?
というと。
実は、
ドワーフへの、
台座作りを要請する言葉は、
意味が無かったらしい。
後で、
ドワーフが言っていたことには。
ドワーフの里に居た時も、
彼は、
私の噂を聞いていたらしい。
顧客である冒険者達から。
その冒険者達は皆、
口では、
平和主義を唱えるが、
現実に注文するのは、
武器ばかり。
私も、
その同類だと。
「そんな頭、無いよ」
と、
真田の親父は、
私のことを、
コケにしてくれたらしいが。
城に着いたら、
空き樽の山
という
アホ過ぎるものを見せつけられて。
トドメに、
日用品を作れ
と、
理解不能なことを聞いた後は、
何も、
彼の耳に入って来なかった
のだそうだ。
それ!
早く言ってよ!
聞いていなかったのなら、
勇者達に、
勇者の剣の奉納を、
伝えなかったのに。
共産主義魔王
次の戦争まで、あと八日。




