戦車に竹やり
敵軍は、
やっと動いてくれた。
ネトウヨ君は、
心理戦を得意とするような、
いやらしい男ではないようだ。
彼が遅れた理由が、
解ってきた。
敵軍の後ろに見える
巨大な影を、
彼は、
待っていたのだ。
その影は、
ストーンゴーレムだった。
身の丈が、
つるはしゴブリンの十倍程もある。
えっ、これって?
10の3乗が1000だから、
巨大化とか、
石化とか考えると、
単純予想で、
つるはしゴブリン3000体分の素材が使われている
ということ?
でも、
素材が石だと安いのか?
石だから、
あの大きさだと、
一撃で、
城壁を壊せそう。
攻城兵器なのか?
そのストーンゴーレムは、
重過ぎるのか、
歩くと、
地面に足がめり込んでいる。
でも、
ここからが、
ネトウヨ君の恐ろしいところで。
スコップを持った人狼達が、
ゴーレムの足の周りを、
素早く掻き分けて、
歩く手助けをしている。
何と!
用意周到な!
人狼の数は、
百以上。
これだけいれば、
ゴーレムも、
すぐに次の動作に移れる。
実験でもして、
準備したのか?
それにしても、
あのスコップ、
欲しい。
この異世界に、
スコップなんて有ったのか?
買ったのか?
それとも、
作ったのか?
モンスターを人狼にしたのも、
スコップは、
つるはしよりも、
複雑な動きが必要なので、
知能の高い魔物を選んだからなのか?
そんなことを妄想している間に、
敵軍は、
城の南側に到着した。
北側
崖 川
堀 城 堀
堀 堤防 堀
川 堀 堀 堀
落とし穴 川
西
側 敵軍 川
落とし穴の南にある、
水害対策用の堤防の上に、
ネトウヨ君は、
陣を構えている。
彼は、
素直に、城の南方に来てくれた。
それが、
南西に有る隣の国から、
最短距離だからね。
これで、
敵軍の全容が明らかとなった。
最前列は、
つるはしゴブリン五倍クラス
の魔物だ。
ネトウヨ君の
オリジナルモンスターなのか?
魔物なのに、
鉄の装甲に覆われているように見える。
まるで戦車だ。
それが、
18体もいる。
これだけで、
5000体以上の素材を使っていそう。
その後ろに、
馬車が13台、停まっている。
御者は人間のようだ。
その中に、
兵糧が、たっぷりと、有るのだろう。
そして、
馬車の周りには、
スコップを持った人狼が、
二百体以上もいた。
コイツらが、
前衛の魔物達の
移動の補助をしてきたのか?
五倍クラスの魔物でも、
土の中に沈むのだろう。
最後尾は、
例のストーンゴーレムとスコップ部隊。
この人狼も、
近くで見ると、
二百体以上いそう。
そうすると、
ネトウヨ君は、
スコップを五百本くらい持っていることに
なるのか?
うらやましい。
それにしても、
敵軍は多過ぎる。
ネトウヨ君は、
軍隊を三つに分けたんじゃないのか?
私を攻める軍と、
自国を守る軍と、
南方を牽制する軍とに。
何で、こんなに沢山いるんだ?
もしかして、
コイツらは、全部、囮で、
後ろの崖から攻めて来るんじゃないのか?
それは、酷過ぎる!
北側には堀が無いのもあるが、
もし、そうだとすると、
それは、
どこかの国が、
ネトウヨ国に援軍を出していることに、
数的になるから。
ここで、
敵に動きがあった。
馬車の御者をしていた人間が、
一人で堤防を降りて来て、
落とし穴をチェックしている。
まあ、
バレると思っていたからね。
でも、
ネトウヨ君の判断は。
オークのような
鉄を纏った魔物が、
堤防の上から、
落とし穴へ、
突っ込んで来た。
よほど、
その装甲に自信が有るのだろう。
戦車が、
竹やりを恐れるわけないか!
そして、
突然、
大気が揺れた。
共産主義魔王
滅亡まで、
まだ一日が終わっておりません。




