強さの追求
今日も、
ネトウヨ君の彼女が、
私の傍らに居てくれた。
この頃、
西国に新しく出来た
国連軍の東征のために、
ごたごた続きで、
彼女は、
ほとんど空気なのだが。
彼女が、
私の傍に居てくれるだけで、
ただ、それだけで、嬉しいんだよね。
男なんて、
そんなものさ。
女に纏わり付いてもらえ無くなったら、
男は、
御終いなんだよ。
さて、
昨日、
征夷大将軍様から御提案が有った
四者会談が、
行われた。
出席者は、
西国の国連総長と征夷大将軍様と
『大日本帝国』の使者、
そして私。
何故か?
会議の主催者は私になっていて、
形式的には、
私が三人を召集した事に。
もちろん、
私は、
オブザーバーのつもりなので、
何も発言しなかったのだけれど。
それが、
『大日本帝国』の使者と征夷大将軍様には、
計算外だったようで。
彼等の思惑では、
私は平和主義者だから、
当然、
戦争を止める
と。
そんな事を期待されても、
私は、
自分の理想を他人に押し付ける様な
野暮なマネは、
したくないんだよね。
それに、
心情的には、
国連総長の野間さんを応援している。
私は、
人を、
叩き切りたい。
何の理由も無く、切りたい。
それは、
剣道をやっていた人間の習性だと思う。
最強の追求が夢なのだ。
この異世界に転移して来て、
ゲーム感覚で戦争を始めるのは、
魅力を感じないが。
己を鍛え上げて至高を目指すのには、
憧れる。
それが、
平和主義に矛盾するのか?
は、
さておき。
でも、
妄想と現実は違うので。
妄想では、
人を叩き切っても、
血飛沫は上がらないし、
御遺体が腐敗して異臭を放つ事も無い。
人間の思考は、
元来、徹底した御都合主義なのだ。
本当、
誰が? 御遺体を片付けるんだろうね?
前世の日本で、
アニメや映画やドラマ等の
徹底した御都合主義に狂わされている
元日本人が、
どこまで現実に立ち向かえるのか?
そこも、
見所だよね。
野間さんが、
剣豪として成功したら、
私も後に続こうかな?
たぶん、
ゲームと違って、
予想もしない事で、
躓くとは思うけど。
私が何も言わないので。
征夷大将軍様は、
旧西日本連合が発行した紙幣と
旧略奪軍当時に、
自分が出しちゃった債権の話を持ち出した。
それを、
西国の新国連が負担する義務が有る
と。
そして、
その紙幣と債権を、
私が、
大量に所持している
と。
困ったねえ。
オブザーバーを辞めて、
発言せざるを得ないか?
と、思ったら。
即座に、
新国連総長が、
「その件につきましては、
今後、獲得した領土で返済する予定です」
と、
返してくれた。
もちろん、
私は、
紙幣と債権を、
賄賂として返却するつもりでいたので、
異論は、
挟まない。
逆に、
納得してしまった。
一週間前に、
スポンサーの御意向で、
元県庁職員から、
その紙幣と債権を受け取ったんだけど。
商人達の狙いは、これか?
戦争ほど儲かるものは無い。
それに、
漁夫の利を得るためには、
まず、
誰かが、争ってくれないと。
そして、
最後に、
新国連総長から私に、
提案が有った。
「道糞朝鮮帝国を出発して、
東征軍は、
ソ連国内を通過し、
自由都市経由で、
馬の産地に入る作戦です」
「その際に、
自由都市を魔物達から解放致しますので、
その資金として、
紙幣と債権を御提供願えないでしょうか?」
何故?
『大日本帝国』の使者の目の前で、
軍事機密を漏らす?
共産主義魔王、
異世界の魔王数、残り四十七?




