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戦術の変化

 商人達から、

情報がもたらされた。


 当然、

西国情報である。


 その商人情報に依ると。


 もう、

どちらの国連軍も、

出陣しているらしい。


 最初に出発したのは、

西日本連合の対立組織のようだ。


 ちなみに、

その対立組織の正式名称を尋ねたところ、

無い

のだそうだ。


 その対立組織は、

近隣で、

西日本連合が出来た事に、

脅威を感じた魔王達が、

集まっただけで、

西日本連合に対抗する以外の目的は、

無い

らしい。


 『西日本』という

対立概念を持った言葉が、

上手く利用された結果なのだろう。


 その対立組織軍は、

サクサクと、

進軍しているのだそうだ。

他国の領土を進むのにも、

障害は、

無い

らしい。


 一国で、

多国籍軍と戦う

無謀な魔王は、

いないらしく、

領土の通過を認めるだけではなく、

雪だるま式に、

参加国が、

増えているようだ。


 でも、

進軍速度上昇の最大要因は、

もっと、

本質的な事らしい。


 大型魔物が、

使われていない

のだそうだ。


 この異世界での

戦争の震源地は、

私の国である。


 その時の情報が、

異世界中に拡散したのだが。


 特に、

魔王達の注目を集めたのは、

大型魔物の欠点のようだ。


 大型魔物の弱点は。


 熱に弱い。


 これだ。


 もちろん、

耐火性の装甲で覆えば、

火炎魔法にも耐えられるのだが。


 熱発散効率の問題で。


 大型魔物は、

元々、

単位体積当たりの表面積が、

小さく、

熱がこもり易い。


 そのため、

連続稼働時間が短い。


 その最大の影響が出るのが、

移動。


 なにしろ、

動くだけで、

体温が上がってしまうのだから。


 しかも、

異世界の道は、

人間がすれ違える程度の

幅しか無く。

その上、

地面が、

柔らかい。


 その事から、

異世界の大陸には、

氷河期が、

無かった

と、

推察される。


 前世のヨーロッパやアメリカのように、

大陸が削られたわけでもなく、

乾燥もしていないので。

大型魔物が歩くと、

地中に、

足が沈んで行く。


 まあ、

その御蔭で、

農業か盛んなんだけれどね。

でも、

兵糧がたんまり有るから、

戦争になってしまう

という面も。


 どうも、

ネトウヨ君のアイデアが、

画期的だったらしい。


 つるはしゴブリン三千体分の

大型魔物、

ストーンゴーレムを移動させる時、

ネトウヨ君は、

スコップを持った人狼に、

露払いをさせた。


 そのインパクトが、

大きかったようで。


 結局、

大型魔物は、

守備専門になってしまった。


 使い方は、

堀や川などの

水と絡めて、

いつでも冷やせる状況が、

ポイントらしい。


 では、

攻撃は?

と言うと。


 機動力重視らしい。


 そもそも、

西日本連合などの国連が、

結成されたのも。


 騎馬隊が、

原因のようなのだ。


 集団的自衛権を行使しても、

援軍が間に合わなければ、

意味が無いので。


 国連加盟各国は、

それそれ、

自前の援軍専門騎馬部隊を、

持っているらしい。


 実は、

一つの国連が出陣したら、

その隙を突いくれないかな?

と、

期待していたんだけど。

敵対組織が、

留守中の本国を荒らしてくれれば、

遠征軍なんて、

出せない

と、

思っていたんだけれど。


 ちゃんと国連が機能していて、

留守中も、

サポートしてもらえるのだとか。


 そうなると、

肝心の遠征軍は。


 私のアイデアが、

採用されたようだ。


 つるはしゴブリンが、

大挙して、

攻めて来るらしい。


 つるはしゴブリンは、

長時間労働が、

可能なように、

体表に、

毛が、ほとんど、無い。

完璧なハゲである。


 防御力は、

ゼロだが、

熱発散効率が良く、

材料費が安いので、

大軍が作れる

というメリットが、

有る。

当然、

移動速度は、

早い。


 攻撃オンリーの特攻部隊か?


 困ったねえ。


 共産主義魔王、

異世界の魔王数、残り六十三?




 


 

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