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冒険者

 傭兵を雇ったら?


 今日来た商人に、

そう提案された。


 商人の話に依ると、

この異世界には、

冒険者なる者が存在するらしい。


 ダンジョンのお宝とか買っていたから、

ウスウスは、気付いていたが。


 冒険者とは、

神話の時代に、

魔王を討伐した勇者の子孫

らしい。


 この異世界の魔王は、

各々、

自分のコアを持っている。


 そのコアを破壊されると、

魔王は魔力を失い、

魔法で作った魔物達が、

元の素材に戻ってしまう。


 もし、

人間が、

そのコアを破壊すると、

勇者になれるらしい。


 パーティーを組んで達成した場合には、

その恩恵が、

分散されるのだそうだ。

ある者は、素早くなり、

また、ある者は、力が強くなり、

また、ある者は、勇者の盾を貰えたり。


 中には、

人間なのに、

魔法が使えるようになる人も、

いるのだとか。


 そして、

その能力は、

子孫に受け継がれるらしい。


 代を重ねるごとに、

力が薄まって行くわけだが、

それでも、

一般の人達よりは充分に強く、

モンスターと闘えるのだとか。


 それだけのチートが有ったら、

例えば、

回復魔法を生かして医者になる

とか、

冒険者以外の儲け口も有りそうなもの

なのだが、

ほぼ全員が、

ダンジョンへ行くらしい。


 ダンジョンには、

魔物がおり、

その各々が、

体内にコアを持っている。


 そのコアを壊すと、

魔物が素材へと変化し、

経験値も貰える。


 彼らは、

経験値を貯めて、

レベル20になると、

神殿で転職出来るらしい。


 そうやって、

ステータスを上げていく

のが、

彼らの生きがい

でもあり、

誇りでもあるのだ。


 生活費は、

素材を売れば稼げるしね。


 冒険者は、

主に、二種類に別れるそうだ。

高い身体能力を生かして、

モンスターを狩るのが専門の人達と、

盗賊などの特殊技能を生かして、

宝箱探しを専門にする人達と。


 ダンジョンが有る場所だが。


 私の城の遥か東に、大きな山が有り、

それを越えると、

魚がいない、

中くらいの河が、

北から南へ流れている。


 その河が、

私の国と、

東隣の国との国境線になっている。


 その河筋には、

わずかだが、平地が有り、

そこは、

人間の治める自由都市となっている。


 冒険者ギルドも、そこに有る。


 その河を北へ遡ると、

山の中に、

ダンジョンが有るらしい。


 河に魚がいないのは、

ダンジョンから、

何か有害な物が出ているためか?


 商人達は、

その自由都市へ行って、

冒険者ギルドから、

いろんな物を手に入れて来るのだが、

当然、

情報も仕入れて来る。


 商人の話だから、

多分、お世辞なのだろうが、

そこの冒険者達に、

私は人気が有るらしい。


 男の楽園を作ったから?

と、一瞬、頭を過ぎったけれども。


 どうも、

モンスターとの戦闘を生業としている

武闘派

の人達が、

私を支持してくれているようだ。


 武闘派の人達は、

常に、

死と隣り合わせで、

指や、手足が無い者など、

普通にいる。


 私が軍隊を持たない

という噂を聞いた時、

何故か?

涙が出て来たのだそうだ。


 平和主義のためなら、

経験値を得られない戦いをしても良い

「?」

と、公言してくれている人もいる

らしい


 ここは、ツッコまないで。


 だから、

商人は、

傭兵を雇え

と、私に言う。


 でも、

そんなことをしたら、

私の考えに共感してくれる人が

いなくなっちゃうよ。


 大体、

弓隊や義勇軍がいる時点で、

かなり濃いグレー

なのだから。


 共産主義魔王

滅亡まで、あと六日。


 

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