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経営者に、サービス残業は無い

 真田の親父が、

使者を使って、

緊急の手紙を送って来た。


 その手紙は、

擬古文で書かれていたが、

戦国時代のものなので、

理系の私にも、

理解出来る。

でも、

字が、

草書体というのだろうか?

判別し辛い。


 内容は、

『ガタニー城は、

カラッポ』

だった。


 やはり、

そうだったのか?


 六天魔王は、

大博打に、

成功したようだ。


 彼には、

ツキが有る。


 一時、

信長包囲網八ヶ国を敵に回し、

せっかく得た領土さえも手放す程、

彼は、

追い詰められていたのに。


 現在、

その八ヶ国の魔王の中で、

現役なのは、

魔女王のみ。

その魔女王でさえ、

領土は、

ダンジョンから溢れ出た

魔物達によって、

壊滅状態である。


 しかも、

その、

ボロボロになった信長包囲網加盟国の中で、

山岳国自身が、

滅ぼした国は、

一つも無いのだ。


 それに、

異世界最強国家と目されていた

ガタニーを、

無傷で手に入れる

という

奇跡を、

彼は、

やってのけた。


 まさしく、

天才ギャンブラーである。


 その、

ツキの化身のような六天魔王に、

私は、

真田の親父と、

金を渡してしまった。


 こうなると、

異世界統一の

最有力候補は、

彼になる。

天下統一のような大事業は、

運命の女神様に、

愛されていないと。


 まあ、

とりあえず、

山岳国を貰える話は、

取り消されるんだろうな?


 要らないけど。


 それよりも。


 これで、

ガタニーの魔王が、

病気だったのは、

ほぼ、

確実となった。


 ガタニーの魔王は、

病気の事を、

魔女王に、

打ち明けていたのだろう。


 後は、

どこまでが、

魔女王の策略なのか?

これが、

問題となる。


 その魔女王は、

昨日、

国連本部という名称の

売春宿の利用券を、

発行したい

と、

申し出て来た。


 一応、

即答は避けておいたので、

今日辺り、

催促が有る

と、

思っていたら。


 やって来ました。

魔女王が。


 私としては、

魔女王との修羅場を、

先延ばしにしたい

気持ちが有るんだよね。


 それこそが、

彼女の策略なんだろうけど。


 男でも女でも、

人間は、

ストレスを感じると、

異性に、

逃げ道を求めるんだよね。


 種の保存の本能なんだろうか?


 ガタニー軍を利用して、

私の心をグチャグチャにし、

魔女王に救いを求めるように、

導く


 これが、

彼女の狙いだったのだろう。


 実際、

あの人の策略を妄想していた私は、

彼女の存在そのものに、

安らぎを、

感じていた。


 そして、

裏工作が判明した今でも、

本心では、

彼女を失いたくない。


 でもね。


 経営者は、

異常者にならなければ。


 普通の神経をしていたら、

人の上には、

立てない。


 経営者には、

サービス残業が無い。


 だから、

働けば、働く程、

利益が得られる。


 そこが、

労働者と、

真逆のところだ。


 つまり、

全神経を、

利潤の追求に傾けて良いのだ。

労働者は、

そんな事をしても、

報われ無いが。


 その代わりに、

休息も、

結果的には、

金で買ったのと、

同じになってしまう。


 ブラック企業の従業員が、

有休を貰えず、

欠勤扱いになる

のと、

同じだ。


 気の休まる時は、

無い。


 彼女に、

ガタニー城の事を告げると、

関心を示さなかった。


 それよりも、

話題を変えたいようで。


 利用券の発行について、

尋ねて来たので、

断ると、

突然、

彼女は、

怒り出した。


 演技だろう。


 彼女は、

一生懸命、

理不尽な事を並べていたが。


 私が、

一切、

弁明しないと、

彼女は諦めて、

そのまま出て行った。


 女には、

弁解しないのに限る。

女に良く思われたい

という邪心が、

男に無いと、

女には、

打つ手が無いのだ。


 出て行った

魔女王の跡を、

福沢諭吉が尾行して行った。


 そんな事、

依頼していないのに。


 やっぱり、

福沢の前世は、

工作員だったのか?


 共産主義魔王、

異世界の魔王数、残り六十四。

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