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暗号書

 今日も、商人達がやって来た。


 いつものことなのだが、

今回は、

暗号書と、

隣の国の情報まで、

もたらされた。


 まず、

隣の国の情報だが。


 私の城の南側に流れる川を、

西へ遡ると、大河が有る。


 その大河を渡って、

南西へ進むと、

敵の城が有るのだが、

こんな感じになっているらしい。


   北側


         中           大

         河  山        河

      住

   小  宅  中           大

   山  街  河           河

西    

側        中           大

         河  敵の城      河

                    

         中河  中河   中河 大     

                     河


                     大

                     河


 敵の城の西側に、

小さな山が有り、

それを中くらいの河が、削って、

平地を形成しているらしい。


 河に削られたところは、

地層の切れ目なので、

水が湧くらしく、

住宅街となっている。


 この、

人間が住むのに最適な場所に、

敵の城は無い。


 より積極策の、

交易重視、

遠征重視の平地に有る。


 今、

敵さんが何をしているのか?

というと、

馬や馬車を集めているらしい。


 そして、

領内の小さな川に、

橋を架けているのだとか。


 橋を架ける

とか、

自衛隊かよ!


 と、

ツッコミを入れたくなるが、

間違いなく、

ミリオタで、

ネトウヨなのだろう。


 輜重部隊を充実させ、

補給路を整備している。


 こっちは、

軍隊が無いのに、

そこまで準備しなくても。


  ちなみに、

 隣の国にも、

海は無い

そうだ。


 大河を南に降った、

つまり敵国の南側の国には、

海が有る

らしい。


 その国だが。

 

 海が有って、

魚が取れても、

保存方法が発達していないため、

基幹産業たり得ない。


 秋の収穫期には、

台風がやって来て、

大河が氾濫してしまうため、

農業も、

ほとんど行われていないのだとか。


 寒村が、

ぽつぽつと有るだけで、

人口は、

あまり、いないらしい。


 その、

海に面した、南の国の魔王から、

日本語の手紙が送られて来た。

商人達は、

暗号書

と、呼んでいたが。


 これで、

魔王は日本人の転移者

説が、ほぼ確定した。


 その暗号書の中身だが。


 私が滅ぼされ、

豊かな領地を、ネトウヨ国が手に入れると、

マズ過ぎる。


 初期設定の時に、

軍事力に極振りしたため、

今のところ、

ネトウヨ国が、

南へ侵略する気配は無いが。


 経済格差が決定的になると?


 えっ?


 軍事力だけ有って、

経済力の無い国なんて、

誰も欲しくないのでは?


 手に入れても、

運営できないし、

侵攻するのにかかった費用を、

回収できない。


 ネトウヨ君も、

馬鹿ではないんだからさあー。


 でも、

私の味方になってくれるらしい。


 ネトウヨ国が出陣したら、

背後から牽制してくれるかも?


 この日本語の手紙を読んでいると、

これを運んで来た

商人達の意図が、

見えて来る。


 争いの種である私には、

なるべく生き延びて欲しいのだろう。

そのために、

軍事的支援国を用意してくれる

つもりみたいだ。


 そして、

せっかく念願の戦争が勃発するのだから、

二国間の争い

なんていう

ケチなものでは、

満足できない。


 周り中の魔王を巻き込んで、

大々的にやりたいのだろう。


 それが、一番儲かる。


 私も、

ネトウヨ君も、

他の魔王達も、

異世界の誰かに躍らされているだけ!


 まあ、

仕方ないか?


 魔王になれたのは、

能力が有るから、

ではなくて、

ただ単に、

転移して来ただけ

なのだから。


 共産主義魔王、滅亡まで、あと九日。


 




 

           


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