異世界テンプレ無双、してみたいなぁ
序章 これが俺たちの日常
「ふぅー、つかれたぁーー」
この物語の主人公であるそんなことを考えていることを全く表に出さず、しれっとこう聞いてみる。
よくよく思えば、実はこのころから嫌な予感はひしひしとしていたのだ。
は気だるげにつぶやいた。それは、一日中汗水たらして働いたのだからこのくらいは許してほしい。
「まったくすね、先輩。どこかの誰かさんが一人だけ恐ろしく手早いんですから、それについてくのに俺たちは精一杯だったんでその誰かさんよりも俺たちは精神的にも肉体的にも疲れてるわけなんですけど」
そう言って軽い皮肉を飛ばすのは幸樹の後輩、飯田小太郎である。
その会話を聞いた周りの仲間たちはいっせいに
「あんたら二人ともバケモンなんだよ!」「いい加減こっちにも気を配れるようになれよ!」「そのおかげで助かってる部分が多いことは認めるけども!」
周りからはそのような声が多々漏れる。
「そうかぁ?お前らがおせぇだけじゃねぇの?悔しかったらその 誰かさんに追いつける仕事をしてみろよ」
「その前に今だれか俺をこの人とおなじはこにいれやがったな!出て来い!」
煽る長谷部に、それと一緒にされて怒る飯田。意外にこの二人は相性がいいのだ。二人はかたくなにそれを認めないけれど。
「まあまあ、落ち着きたまえよ。この俺様と同じってこれ以上ない誉め言葉だろ?ゆっくりとよく考えてごらんなさい」
「そのセリフをぬけぬけと吐けるアンタと一緒ってところだよ!」
これはどこにでもある仕事終わりの軽い談笑であった。
それがそれにふさわしき場所にて行われたものであったらの話だが......