七話〜絆〜
「……ちゃん」
誰かが僕の名前を呼んでいる。
「ん……」
僕は気怠そうにその声の主に返事をする。
「お兄ちゃん! 」
「あ……遥……」
僕は遥の声に驚いて目を覚ます。
「もう夕方だよ」
そっか、遥と一緒に昼寝してたんだっけ。
「もうそんな時間なんだね。 遥、おはよう」
「おはよ、お兄ちゃん。 テレビ点けっ放しだったから電源切っておいたよ」
強烈な眠気でテレビの電源を切るのを忘れていた。
「切るの忘れてたよ。 有難う」
「私も寝ちゃってて忘れてたからお互い様だよ」
遥が照れ臭そうに言った。
僕はふと時計を見る。 時刻は16時になっていた。
「遥は何時起きたの? 」
「15時30分位だよ」
「結構寝てたんだね」
「うん、一時位に私達は寝たから」
成る程、つまり遥は2時間30分くらい寝て僕は3時間程寝たのか。
寝過ぎだな……と思っていると遥が顔を赤くしながら聞いてきた。
「お兄ちゃんの手……暖かかった……」
「遥……」
手を繋いで寝た遥の手の感触と温もりがまだ微かに感じられる。
最後に遥と手を繋いだのは何時だっただろうか。
確かまだ僕が小2の頃くらいだったと思う。
父さんからお小遣いを貰って遥と一緒に近所の駄菓子屋に買い物に行ったっけ……。
「あの頃と同じだね」
僕が思い出に浸っていると遥がそう言った。
「あの頃? 」
「うん、まだ私が小学1年だった頃。 お兄ちゃんに手を握られて『遥、お菓子買いに行くよ』って……」
どうやら遥も僕と同じ事を思っていたみたいだ。
「僕と遥の手はあの頃に比べたら大きくなったけど温もりは変わってないね」
「うん、これからもずっと変わらないよ」
「勿論だよ」
僕達二人の兄妹の絆は永遠に続く。
例えどんな事が有っても断ち切られたりはしないだろう。
「お兄ちゃん、買い物に行こう? 冷蔵庫の中を見てみたんだけど食べる物が無くて……」
冷蔵庫の中を調べた遥がそう言った。
「了解だよ。 じゃあ出掛けようか」
「うん」
僕と遥は外出の準備をした。




