六十二話〜紗雪と光の和解〜
本格的に寒くなって来ましたね
お部屋を暖かくして体調を崩されない様にご自愛下さい
今回は紗雪視点です
「私、そろそろ行きますね」
長野君を待たせたらいけないから早く行かなきゃ。
「了解だよ。白山さん、ややこしいから僕の事は名前で呼んでよ」
とっても優しい笑顔でそう言う星野先輩。
私は思わず頬を緩ませた。
大好きだった先輩の事を名前で呼べるんだ。
「紗雪ちゃん、嬉しそうだね」
笑顔の私を見て遥先輩がそう言う。
「はい! 分かりました。翔先輩! 」
とても翔先輩の事が好きでしたなんて今更言える筈がない。
翔先輩には光先輩といつまでも仲良しで居て欲しい。
「白山さん、また明日ね」
翔先輩はそう言って手を振った。
「はい! 先輩方、さよなら! 」
私はグラウンドを出て足早に公園へ向かう。
昇降口で靴を履き替えようとした時だった。
「白山さん! 」
急に背後から名前を呼ばれた。
翔先輩かなと思ったけど違う。
女性の声だった。
この声は聞き覚えの有る声だ。
私はゆっくりと振り向く。
「光先輩……」
私を追い掛けて走って此処まで来たのだろう。
その証拠に息を切らしている。
「はぁはぁ……やっと追い付いた……」
「大丈夫ですか? 」
私は光先輩に肩を貸した。
「有難う……。グラウンドでカケちゃんに会って、白山さんが何処に居るか聞いたらもう帰ってるって聞いてね……」
「そうだったのですか……」
今の光先輩には以前感じた恐怖感は無かった。
「白山さん、この間はごめんね」
肩を貸している私から離れて頭を下げる。
私と初めて会った時の事だと直ぐに分かった。
何故ならあの日以来、私と光先輩は出会っていないのだから。
「私は全然気にしてませんから大丈夫ですよ。光先輩と翔先輩はとても良いカップルだと思っているので幸せになって下さい」
「白山さん、有難う……ってカケちゃんの事を名前で呼んでたっけ? 」
彼女は頭にハテナマークを浮かべた。
確かに付き合ってもいないのに、いきなり名前で恋仲の人を呼び始めたら疑問に思うだろう。
「帰る前に翔先輩からややこしいから名前で呼んでって言われまして……。遥先輩に初めてお会いしたんです」
「成る程ね。確かに星野先輩って呼ぶとどっちか分からないよね……」
苦笑しながら納得する光先輩。
「はい……」
私もつられて苦笑した。
「時間取らせちゃってごめんね。じゃあね」
申し訳無さそうな顔をして手を振る先輩。
「いえいえ、とんでもないです! さよなら! 」
私は靴を履き替え、自転車に乗って公園へ向かった。
最後まで読んで頂いて有難う御座いました!
次回も紗雪視点です




