五十九話〜気持ちが大事〜
7月7日(土)21時
大会が近いので今日は全日練習だった。
部活を終えて光ちゃんと一緒に帰る途中に、僕の家でプレゼントを渡す事を伝えた。
光ちゃんは一度自分の家に帰って、用事を済ませてから来ると言っていた。
遥も光ちゃんのプレゼントを買っている様だ。
僕が昨日選んだプレゼントは予めテーブルの上に置いてある。
父さんは残業で帰りが遅くなると言っていた。
光ちゃんが来るまで遥と一緒にテレビ番組を観る。
「今日は七夕だね」
隣に座っている遥がそう言った。
「うん。記念日に生まれた人って羨ましいよね」
僕がそう言った時、インターホンが鳴った。
玄関へ行き、ドアを開ける。
光ちゃんが居た。
白い半袖のTシャツに、青いデニムのショートパンツと言う服装だった。
「カケちゃん……。お待たせ……」
照れながらそう言う彼女。
「いらっしゃい……。光ちゃん……その服装どうしたの? 」
「私はこの服装は恥ずかしいって言ったんだけど明が『絶対に着た方が良い! 』って言って聞かなくてね……」
「そ……そうなんだ……」
明ちゃんなら言いそうだな……。
光ちゃんをリビングに通す。
「あっ、光先輩。お誕生日おめでとう御座います! 」
遥はそう言うと、自分の部屋から持って来たプレゼントを渡した。
「遥ちゃん、有難う」
笑顔で受け取る光ちゃん。
僕もプレゼントを渡す。
「カケちゃんも有難う。開けてみても良い? 」
「勿論良いよ」
僕がそう言うと、彼女は袋を開けた。
「可愛い……。本物そっくり……」
兎のぬいぐるみのショルダーバッグに頬擦りをする光ちゃん。
「だよね。僕も見た時は驚いたよ」
「とっても嬉しい! 大事にするね」
「喜んで貰えて良かったよ」
遥から貰ったプレゼントを開ける光ちゃん。
彼女の誕生石のルビーのブローチが入っていた。
「綺麗……」
「本物は高いのでイミテーションになっちゃいました……」
申し訳無さそうに言う遥。
「気持ちが大事だから気にしなくて良いよ。遥ちゃん、有難う! 」
ニッコリと微笑む光ちゃん。
「有難う御座います! 」
遥は深々と礼をする。
その後は光ちゃんと二人で僕の部屋へ向かった。




