五十八話〜プレゼント決定〜
光ちゃんとお爺さんはレジの前で楽しく会話をしている。
選ぶなら今の内かな。
「そろそろプレゼントを選んで来るよ」
少し離れた距離から光ちゃんに話し掛ける。
「了解だよ。選ぶのはゆっくりで良いからね」
僕に可愛らしくウインクをする。
「有難う」
「ふふっ。どう致しまして」
彼女はそう言うと、再びお爺さんと会話を始めた。
遥の誕生日プレゼントを買った時は急いでいたので、ゆっくりと店内を見て回っていない。
まだ行った事のないコーナーを見てみよう。
ヘアピンが置いてある場所の正面に緑色の小さいドアが有った。
ドアプレートには鞄と書かれている。
どんな物が有るか見てみるか……。
ドアを開けて中へ入る。
「凄い……」
僕は思わず声を上げた。
ポシェットやリュックサック等、色々な種類の鞄がそこには有った。
壁に立て掛けられている黒板には、「全て手作りです」と書かれている。
恐らく全てお爺さんが作ったのだろう。
早速見て回る。
宝石の様に綺麗な鞄も有れば、動物を模した物も有った。
「この鞄が光ちゃんにぴったりだな」
僕は可愛らしい兎のぬいぐるみのショルダーバッグを買う事にした。
手触りはモコモコとしていてまるで本物の様だ。
値段を一切見る事なくドアを開けて鞄コーナーを出る。
「光ちゃん、選び終わったよ」
僕がそう言うと光ちゃんは返事をして目を閉じ、手で耳を塞いだ。
僕はレジに商品を持って行く。
「ふむ、それを選んだか」
嬉しそうな表情のお爺さん。
「どうなさいました? 」
「君はお目が高いのう。5000円じゃ」
「有難う御座います。とても可愛らしいショルダーバッグだなと思いまして」
僕はレジに5000円札を置く。
「5000円丁度じゃの。少し待っておれ」
お爺さんはそう言うと、プレゼント用の袋に入れて渡してくれた。
僕はお礼を言って受け取り、光ちゃんに声を掛けた。
「買い物終わったよ」
「は〜い」
光ちゃんは目を開けて塞いでいた手を離した。
ふと外を見ると暗くなっていた。
「そろそろ帰ろうか」
光ちゃんに提案する。
「だね。お爺さん、有難う御座いました」
「ほっほ、末永く二人で仲良くの」
「はい! 」
僕と光ちゃんはお爺さんにお辞儀をして店を出て、途中まで一緒に帰った。




