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五話〜疑問〜
「昇、遥……。待たせてごめんね」
僕は肩で息をしながら言った。
「謝らなくても大丈夫だ」
「昇さんの言う通りだよ」
二人はそう言って微笑んだ。
「二人とも有難う」
僕達は靴を履き替えて帰路に就いた。
「お前の隣の席、蒼井さんだな」
「うん……」
僕は光ちゃんのあの顔を思い出してしまい、身震いをした。
「お兄ちゃん、震えてるけど大丈夫? 」
「大丈夫だよ。 遥、心配させてごめんね」
遥と昇には心配を掛けさせたくない……。 光ちゃんとの教室での出来事は忘れよう。
「気にしないで良いよ。 元気なお兄ちゃんが一番だよ」
そう言って遥が励ましてくれた。
「翔……。もし嫌な事聞いちまったらごめんな」
昇が申し訳無さそうに謝った。
「そんな事ないよ。 昇のせいじゃない」
僕は悲しい顔をしていた昇を慰めた。
「翔……。有難うな」
「どう致しまして」
そんな話をしている内に、僕の家に着いていた。
「昇、じゃあね。 また明日」
「ああ、またな。 翔、遥ちゃん」
「昇さん、さようなら」
僕と遥は昇と別れ、家の中に入った。




