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五十二話〜夏休みの約束〜




 13時


 遥の作ってくれた昼食のカツ丼を食べた僕と光ちゃんは、僕の部屋のベッドの上に座っていた。


 何故カツ丼なのかと遥に聞いた所、「お兄ちゃんと光先輩がどんな困難にも打ち勝てる様にと思ってカツ丼にしたんだよ」と笑顔でそう答えた。


 優しい遥らしいなと思った反面、父さんの駄洒落に毒されてないかと少し心配した。


 遥に限ってそれは無いと思うが。



 僕がそう思っていると、背後からギュッと抱き付かれた。


 「カケちゃんっ」


 光ちゃんの甘える声。


 「光ちゃん、どうしたの? 」



 僕は首を後ろに向けて、光ちゃんの方を見た。


 「私が別れた理由を話したあの日に夏音に会わなかった? 」


 僕の背中に頬擦りをしながらそう言う光ちゃん。


 まるで小動物みたいで可愛い。


 「うん。階段の所で会ったよ」


 「そうなんだ。夏音は何か言ってた? 」


 「頑張ってって言ってたよ。多分だけど僕達の復縁を願ってたんじゃないかな? 」


 「だね。夏音と明には理由を話したから」


 「そうだったんだね。明ちゃんは元気? 」


 「うん、相変わらず私にべったりだよ。最近はあの子も早く彼氏を作れば良いのにって思ってるんだ」


 苦笑しながらそう答えた。


 「あはは……。明ちゃんらしいね」


 「本当に明には困っちゃうよ……。でも一番信頼してるのはカケちゃんだよ」


 目を細めて笑う光ちゃん。


 やっぱり天海さんは光ちゃんの相談に乗っていたのか。


 親友だから気兼ねなく話せるのだろう。


 「有難う、僕も同じ気持ちだよ。実は遥だけじゃなくて父さんや寒川先輩からもアドバイスをして貰ったんだ」


 「成る程ね。じゃあ尚更私達は別れられないね」


 「うん。沢山の人が協力してくれたからね」


 再び紡いでくれた縁をもう切り離させはしないと決めた。


 光ちゃんを悲しませる様な事はしない。


 「カケちゃん、夏休みになったら沢山思い出作ろうね! 」


 「勿論だよ。高校最後の夏休みだから一緒に楽しもう」


 「うん! 」

 

 僕達はその後昼寝をした。

 

 

 

 

 


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