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四話〜誤解〜



始業式が終わって教室の掃除を終えた僕達は、帰りのHRをしていた。


「帰りのHR終了よ。 学級委員、号令を掛けて」


黒咲先生がスピーカーの鐘の予鈴を聴き、号令を命じた。


「起立、気を付け、礼、さようなら」


「みんな、さようなら。今日はどの部活も活動が無いから、早く家に帰ってゆっくり休むのよ? それじゃまた明日ね」


黒咲先生はそう言って、教室を出た。


僕は隣の光ちゃんの席を見た。


笑顔の光ちゃんと目が合った。


「星野君、じゃあね」


「うん。 蒼井さん、また明日ね」


やっぱり光ちゃんは可愛い。 そんな事を思っていると昇が話し掛けて来た。


「翔、お疲れー。 一緒に帰ろうぜ? 」


「昇、お疲れ様。 良いよ。 遥も一緒だけどそれでも良いかな? 」


「ああ、構わないぞ。 ってもう遥ちゃん来てるな」


昇が教室の外を見てみると、既にHRを終えたであろう遥がこっちに向かって手を振っていた。


「お兄ちゃーん。 早く帰ろうよ」


「遥、今行くから待ってて」


僕は急いで鞄を持ち、昇と一緒に遥の所へ向かった。



光ちゃんの目の前を通り過ぎようとした時、光ちゃんが小さく舌打ちをした様な気がした。


「えっ……? 」


僕は驚いて光ちゃんの顔を見る。


光ちゃんの目のハイライトは消え、僕を怖い顔で(にら)み付けながら、僕にしか聞こえない様な声で 「やっぱり私なんかより実の妹の遥ちゃんの方が大事なんだね……」と言った。


僕は 「違うよ」と言おうとしたが、光ちゃんのあまりにも恐ろしい顔に言葉が出なかった。


「ひっ……」


僕は情けない声を上げ、教室の外へ全力で走って行った。

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