四十六話〜不安な気持ち〜
また光視点です
「ただいま〜」
私がそう言って玄関のドアを開けると、明が小走りで駆け寄って来た。
「お姉ちゃん、お帰り! 」
「明、何時も有難う」
私は明の頭を優しく撫でる。
「ふふっ……。お姉ちゃんだーい好き! 」
明が抱き付いて来る。
私が帰宅した時は、必ずこうやって甘えて来るのだ。
最早毎日の習慣になっている。
「よしよし。私も明の事が大好きだよ」
明に軽くハグをすると、私は自分の部屋へ向かった。
「はぁ……」
鞄を学習机の上に置いた私は溜息を吐く。
人を好きになるとはどう言う事なんだろうか……。
帰る時に告白して来たあの男の子は私に一目惚れをしたって言ってた……。
明は大切な掛け替えの無い妹だし……。
勿論お母さんとお父さんの事も大好きだ。
夏音は私の大親友。
カケちゃんは私の一番大切で一番大好きな彼氏だったのに……。
本当はあの時別れるつもりは無かった。
ずっと一緒に居たかった……。
だけど私はカケちゃんの傍に居る事が段々と怖くなって行ってしまったんだ……。
私の勝手な我儘で、カケちゃんと築いて来た三年間の関係を全部壊してしまった。
全部私が悪いんだ。
カケちゃんを本当に信頼出来ていなかった。
自然と涙が溢れて来る。
「ごめんね……。カケちゃん……」
付き合おうと言ったのは私だった。
初めてカケちゃんと話した時に、彼の誠実さに惹かれたんだ。
今思えば一目惚れだったのかも知れない。
私があの男の子に一目惚れは長続きしないと言った理由は、好きになればなる程段々と辛くなってしまうからなのだ。
大切に想うからこそ色々と考えてしまう。
「嫌……やだよ……。またやり直したいよ……」
マイナスの感情を抑えなければならないのは分かっている。
でも自分では中々抑えられない。
「あ……」
私は気を失ってしまった……。




