四十三話〜新入部員報告〜
僕は自室でのんびりしていた。
コンコンッ
部屋の扉がノックされる。
「お兄ちゃん、お話がしたいんだけど入って良い? 」
遥の声が聞こえた。
「うん、良いよ」
「有難う、お兄ちゃん」
遥が部屋に入って来る。
「お兄ちゃん、新入部員の人は入って来た? 」
「うん、二人新入部員が入ってくれたよ。一人はマネージャーになってくれたんだ」
「そうなんだ。良かったね。ポジションは何処なの? 」
嬉しそうに聞く遥。
「投手で名前は長野だよ。サウスポーで140キロの速球を投げるから皆びっくりしてたよ」
「へぇ、高校一年で140キロってかなり速いんだよね? 」
今度は驚いた表情を浮かべる遥。
長野の球速は、高校生の平均である115キロと比べると速い。
140キロはプロが注目するレベルだ。
「うん。朝乃宮中から来たって言ってたよ」
「そこって確か野球が強い中学だよね? 実力が有るのに、どうして強豪校に行かなかったんだろうね? 」
それは確かに気になる。
「そうだよ。他の部員も何で此処に来たんだって不思議がってたよ」
「だよね……。何か理由が有るのかな? 」
目を閉じて腕を組む仕草をする遥。
「今度長野に聞いてみるよ」
「了解だよ。マネージャーの人はどんな人なの? 」
遥の表情が明るくなる。
「白山さんって言う名前の人で、入学式の日に知り合ったんだ。明るくて元気な人だよ」
「そうなんだ。その人がマネージャーになってくれて良かったね」
「うん。寒川先輩が居なくなったから、野球部に活気が無くなっちゃったからね」
「だね、麗奈先輩が気にしてたよね」
先輩は引退する時に『……私の跡を継いでくれる人が居てくれると良い……』と言っていた。
マネージャーが見つかった事を伝えたらとても喜ぶだろう。
「後で先輩に教えるよ。吹奏楽部は何人入部したの? 」
「4人入部してくれたよ。新入部員の為にもっと頑張らないとって思うよ! 」
目を輝かせてガッツポーズをする遥。
「やる気満々だね。でも無理しちゃ駄目だよ? 」
「勿論だよ。眠くなって来ちゃったから私そろそろ寝るね。お休み」
欠伸をする遥。
「了解だよ。お休み」
遥が部屋から出た後、先輩に早速Seinでメッセージを送った。
翔: 先輩、野球部のマネージャーが見つかりましたよ。
返信は直ぐに返って来た。
麗奈: ……良かった……♪
「先輩、喜んでくれたな」
僕は安心すると眠りに就いた。




