三話〜憂鬱な再会〜
「此処が三年の教室か……」
僕は教室の位置が書かれたプリントを見ながら呟いた。
此処、黒ヶ原高校はクラス替えが無い高校だ。
その為三年間同じメンバーである。
3年A組と書かれた扉を開けて教室に入った。
「あ……」
そこには僕が今、最も会いたくない人が居た。
「光……ちゃん……」
「星野君、もう私達は別れたんだからその呼び方は止めて欲しいな……」
光ちゃんは困った顔をして僕にそう言った。
「そうだよね……。ごめん……蒼井さん……」
「うん……」
まだ僕と光ちゃんしか居ない教室に気不味い空気が流れた。
もう光ちゃんは僕の事をカケちゃんとは呼んでくれないんだな……。
僕は悲しい気持ちになりながら、光ちゃんの前を通り過ぎようとした。
「ごめんね……。 別れた理由は……また今度ちゃんと話すから……」
光ちゃんがぽつりと言った。
やっぱり何か理由が有るんだ……。
会話はしてくれてるから完全には嫌われてはいないと思うんだけど……。
「うん……。 話してくれる時まで待ってるよ」
僕がそう返事をすると光ちゃんは、有難うと言って微笑んだ。
光ちゃんとまたやり直せたら良いな……。 僕はそう思いながら、黒板に書かれた自分の席に座った。
「私の隣の席だよ」
光ちゃんは笑顔でそう言った。
神様は未だ僕を見捨ててはいなかった……。
僕は神様に感謝しつつ椅子に座った。
HR開始の時間が近付き、他のクラスメイト達も続々と教室に入って来た。
「翔、おはよう。また一年間宜しくな」
そう言って僕に声を掛けて来たのは、親友の鳳 昇だった。
彼はスポーツ万能でクラスの人気者のイケメンだ。
「昇、おはよう。僕の方こそ宜しくね」
昇と話していると、担任の黒咲先生が教室に入って来た。
「みんな、席に着いて。HRを始めるわよ」
こうして僕の三年生最後の学校生活が始まった。




