三十八話〜修羅場?〜
「よし、今日はここまでだ! お前達また明日な。お疲れ様! 」
腕時計を見た監督がそう言った。
部活終了時刻の18時15分になったと言う合図だ。
少し空が薄暗い。
「みんな集まって。監督、今日もご指導有難う御座いました! 」
僕は皆を一列に並べて号令を掛けた。
「有難う御座いました! 」
僕はキャプテンだから、他の部員を纏めなければならない。
試合にも影響して来るのでとても大事な事だ。
「先輩、お疲れ様です」
長野が声を掛けて来た。
「長野、お疲れ様。入部したばかりだからまだ雑用だけど早く練習が出来ると良いね」
「はい! 頑張ります! ではまた明日! 」
「うん、またね」
僕がそう言うと、長野はグラウンドを後にした。
元気の良い奴だな。どんな球を投げるのか楽しみだ。
僕も帰るか。
「星野せーんぱいっ! お疲れ様です! 」
グラウンドに一礼して歩いていると後ろから白山さんがやって来た。
「白山さんお疲れ様。初めての部活はどうだった? 」
「皆さん頑張ってるなーって思いました。キャッチャーの先輩のリードが良かったですね」
「緑川の事? 」
緑川は此処の野球部の正捕手だ。
頭も良くて肩や守備も良い。
まだ二年生だけど成長が楽しみな奴だ。
「はい! 私は中学時代ピッチャーだったので勉強になりました」
「そうだったんだ。エースだったの? 」
「あはは……一応ですけどね。大した事無いですよ」
謙遜する白山さん。
「そんな事無い。十分凄いよ」
僕がそう言うと彼女は照れ笑いをした。
「えへへ……。有難う御座います」
「どう致しまして」
そんな会話をしていると、いつの間にか更衣室の前に来ていた。
「僕は制服に着替えて来るけど白山さんはどうする? 」
「私は此処で待ってます。一緒に帰りましょう! 」
「了解だよ。なるべく早くするから待っててね」
僕が更衣室に入ろうと歩を進めた瞬間……。
「カケちゃん……!? 」
背後から光ちゃんの声が聞こえた……。




