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三十四話〜遥への報告〜

 


 「ただいま〜」


 そう言って居間のドアを開けると遥が居た。


 「お帰り、お兄ちゃん」


 「遥、部活お疲れ様。お土産だよ」


 帰る時にこっそりと買っておいたケーキ屋の箱を遥に見せて冷蔵庫の中に入れる。中身は苺のミルフィーユだ。


 「有難う。麗奈先輩の件はどうだったの? 」


 「どう致しまして。烏道まで行ったら先輩が迎えに来てくれてね。お陰で迷わずに済んだよ」


 「そうなんだ。良かったね」


 「うん。先輩に怒られると思ってたけど大丈夫だったよ」


 「どんな理由だったの? 」


 「遥に彼氏は居ないのかって聞かれたよ。僕の事はスーパーで会った時に聞いたって」


 「そうだったんだね。麗奈先輩も気になってたんだ……」


 驚いた顔をする遥。


 「遥は明るくてとても良い娘なのに男子は見る目が無いって言ってたよ」


 「あはは……。そうなんだ……」


 照れ臭そうにそう言う遥。


 「後は光ちゃんの事について聞かれたよ。復縁する気は有るのかって聞かれてね」


 「成る程ね。お兄ちゃんはどう答えたの? 」


 「光ちゃんを好きな気持ちは変わってないって答えたよ。そう言ったら、光ちゃんとは恋のライバル同士だけど復縁出来る様に協力したいって言ってくれてね」


 「麗奈先輩らしいね。一人だけの事じゃなくてちゃんと周りの人の事も考えてくれてる」


 うんうんと頷く遥。


 「だよね。だから先輩は皆から慕われたんだろうね」


 「本当凄い人だよね。尊敬しちゃうよ」


 遥がそう言うと居間のドアが開いた。



 「翔、遥、ただいま」


 父さんが帰って来た。


 「お帰り」


 僕と遥の声が重なった。


 それが可笑しくて遥と笑い合う。


 「二人とも仲が良いな。もうお腹ペコペコだぞ」


 そう言った父さんのお腹が鳴る。時計を見ると6時40分になっていた。


 「だね、僕もお腹空いたよ」


 「もう晩御飯は出来てるから食べよっか」


 遥のその言葉を聞いて僕は配膳の準備を始めた。

 

 



 

 

 


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