三十一話〜復縁へ向かって〜
「……あ……」
先輩が驚きの声を上げる。
「どうされました? 」
「……虎丸が私の部屋の前で寝てる……」
「本当だ。可愛いですね」
丸まって眠っている。
「……癒される……。……起こさない様にしないと……」
先輩はこっそりとドアを開ける。
ガチャ……
「……上手く行った……。……さあ……入って……」
「はい」
部屋の中へ入る。
部屋一面が猫のグッズで一杯だった。
「先輩は本当に猫が好きなんですね」
「……うん……。……何処か適当な所に座って……」
僕は猫型のカーペットに座った。
「……翔は蒼井さんと復縁したいの……? 」
椅子に座った先輩がそう聞いてくる。
「はい。光ちゃんの事を好きな気持ちは変わってません」
「……そう……。……復縁出来る様に協力しても良い……? 」
「え? 」
「……蒼井さんと私は恋のライバルだけど……翔の力になりたいから……」
優しく微笑む先輩。
「先輩……」
「……嫌……? 」
正直な所とても嬉しい。こうして僕の事を気にかけてくれるから。
もし光ちゃんと付き合っていなかったら、僕は先輩と付き合っていただろう。
「嫌じゃないですよ。先輩にはとても感謝してます。先輩がまだ在校生だった頃から色々助けて頂きましたし」
先輩にこうしてお礼を言うのは初めてだ。少し恥ずかしい。
「……翔……有難う……」
「どう致しましてです」
こうして僕と先輩の光ちゃん復縁への共闘が始まった……。




