二十五話〜いざ、先輩の家へ〜
4月14日(土)
PPPPPPP!
8:00
目覚まし時計の音がけたたましく部屋に響く。
「ん……。起きるか」
僕は目覚まし時計を止めた後、深く溜息を吐きリビングへ向かう。
「二人ともおはよ〜……」
そう言ってドアを開ける。
「お兄ちゃん、お早う」
そこには制服姿の遥の姿しか無かった。
「あれ? 父さんは今日休みじゃなかったっけ? 」
「本当は休みだったんだけど、会社の社長さんから出てくれないかって頼まれちゃったみたいだよ」
「そうなんだ。父さんは嫌って言えないタイプだからね……」
「うん。頑張り過ぎて心配になっちゃうよね……」
父さんは真面目過ぎる。たまには休みたいと言えば良いのにと思う。
「遥は部活だよね? 」
「うん、大変だけど頑張るよ」
可愛らしくウインクしながら、両手でガッツポーズをする遥。
「張り切り過ぎて無理しない様にね」
「うん、有難う。お兄ちゃん」
「どう致しまして」
「私はそろそろ学校に行くけど、キッチンの上に朝ご飯を作って置いてあるから食べてね」
「了解だよ。行ってらっしゃい」
僕は笑顔で遥に手を振る。
「行って来ます! お兄ちゃんも麗奈先輩に許して貰える様に頑張ってね」
遥はそう言うと、昼食用の弁当と自分のスマホを鞄の中に入れて玄関へ歩いて行く。
「うん、有難う。頑張るよ」
僕がそう言うとニコッと微笑み、靴を履いて登校して行った。
本当に遥には頭が下がるな……。
そう思いながら、遥の作ってくれた朝食を食べようとキッチンに向かう。
キッチンの上には綺麗に保存ラップで包まれたサンドイッチが置いてあった。
「サンドイッチか、具も色々入ってるな」
ハムとチーズとレタス、イチゴジャムやママレード、玉子が挟まれていた。
とても美味しそうだ。
僕はコーヒーを飲む為に薬缶に水を入れてお湯を沸かす。
マグカップにインスタントコーヒーの粉と砂糖を入れ、時間が経つのを待つ。
「そろそろかな」
薬缶からピーと言う音が聞こえて来たので、コンロの火を止めてマグカップに熱湯を注ぐ。
半分くらい熱湯を入れ、ティースプーンでよくかき混ぜる。
マグカップとラップに包まれたサンドイッチを持ってテーブルに座る。
「頂きます」
コーヒーを一口飲む。苦味と程良い甘さが脳を活性化させる。
眠気覚ましには最適だ。
ラップを剥がして、イチゴジャムが挟まれているサンドイッチから頬張る。
苺ジャムの酸味と甘さがコーヒーと合っていて美味しい。
「遥の作る料理はどれも美味しいな」
あっと言う間にサンドイッチを平らげ、コーヒーを飲んで時計を見た。
時刻は8時15分だった。
「ご馳走様。そろそろ準備しようかな」
私服に着替えて歯磨きをする。
先輩を待たせる訳には行かない。
素早く歯磨きを終え、スマホを操作した。
「Seinで今から行くって伝えなきゃな……」
先輩にSeinを送ると直ぐに既読が付いた。
麗奈: ……うん……分かった……。家が分からないなら電話して……
翔: 了解です
僕はそう返信して、家と自転車の鍵とスマホ、財布を持って家を出た。
非常に遅れてしまいすみませんm(_ _)m




