二十三話〜後輩、襲来!〜
新入生歓迎会とHRが終わって、放課後になった。
「カケちゃん、お疲れ様」
光ちゃんが声を掛けて来る。
「有難う。光ちゃんもお疲れ様」
「どう致しまして。新入部員増えると良いね」
「うん、光ちゃんのスピーチとても分かり易かったよ」
「本当? えへへ、嬉しいな」
笑顔の光ちゃん。
可愛過ぎて失神しそうになりそうだ。
「聞いてて走塁や盗塁をする時に為になるなって思ったよ」
膝を上げる時は、蹴り上げる方の足の踝を軸の足の膝の横の高さまで上げた方が速く走れると言う事を、光ちゃんのスピーチで知る事が出来たのは大きな収穫になった。
「成る程ね。野球は陸上と違って打撃とか色々やるから大変だよね」
光ちゃんはうんうんと頷きながらそう言った。
「光〜、一緒に帰ろうよ」
声が聞こえた廊下の方を見ると、天海さんが居た。
「夏音、今行くから待ってて」
慌てて鞄を持つ光ちゃん。
「ごめんね。本当はもっと話したいんだけど夏音を待たせちゃうから……」
「別に謝らなくて良いよ。光ちゃんと話せて幸せだったよ」
「ふふっ、有難う。じゃあね! 」
光ちゃんはそう言って足早に教室を去った。
しかし本当に足が速い……。光ちゃんに敵う人なんて居ないんじゃないだろうか。
「よっ! 世界一の鴛鴦夫婦! 」
近くで光ちゃんとの会話を聞いていた昇が茶化して来た。
「昇……。茶化さないでよ」
「すまん。余りにも仲が良かったもんでな」
申し訳無さそうな顔をする昇。恐らく悪気は無かったのだろう。
「気にして無いから大丈夫だよ」
「助かるよ。有難うな」
そう言って頭を下げる昇。
「どう致しまして」
僕は笑顔でそう答えた。
「翔、悪いけど俺は先に帰るよ。今日は部活が無い日だから早く帰ってゆっくりしたいからな」
「了解だよ。じゃあまた明日ね」
「ああ、じゃあな! 」
そう言って昇は廊下へ向かって行った。
僕も今日の部活は無いので帰ろうと思い、鞄を持つ。
「すみません! 星野先輩はいらっしゃいますか? 」
聞き覚えの有る元気な声が教室内に響いた。
「ん……? 星野ならそこに居るけど」
クラスメイトが僕の方を指差して白山さんに教える。
「教えて下さって有難う御座います! 星野先輩、良かったら一緒に帰りませんか? 」
白山さんが目をキラキラさせながらそう言った。
「星野……。お前……」
クラスメイトが呆れながら僕を見る。
恐らく光ちゃんの事だろう。
「あはは……。二股掛けてる訳じゃないから」
僕はそう答える。
「分かってるよ。ほら、早く行ってやれ」
「うん、有難う。じゃあまた明日ね」
「おう、またな」
僕は白山さんの居る廊下へ歩いて行った。




