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プロローグ
高三になる前の春休みの3月27日……。
あの時の僕はとても幸せだった。
高一の時から付き合っていた世界で一番大好きな光ちゃんと一緒に居られたから。
でもその幸せは光ちゃんの発した、たった一言の言葉で消え去った。
「ごめん……。カケちゃんの事が私も大好きだけど別れよう? 」
僕は理由を聞いたけど光ちゃんは答えてくれなかった。
ただ僕を優しく抱き締めて涙を流すだけだった。
何か僕が光ちゃんに悪い事をしたのだろうか?
それとも他に好きな男でも出来たのか?
僕には光ちゃんしか居ないのに……。
どうしても納得出来ない……。
別れの理由がどうしても知りたい……。