第十三話 迫る危機
第十三話 迫る危機
破壊神の行動を阻止した二人は、勘違いされ牢獄に入れられてしまう。
ナイトの国では、今までの原因は、アリスとナイツではないかと疑っていた。
二人を牢獄に入れている間は、世は平和になると思っていた。
牢獄
アリスは、ブラックアリスになったことは鮮明に覚えていた。
細胞の回復を掛けられてから、あらゆる神経がコントロールでき、ブラックアリスに覚醒することが出来た。
しかし、そのブラックアリスには背反があり、アリスの中にいる二重転生のもう一人の力を利用するため、乗っ取られる可能性があった。
神の領域に達したものを物ともしないほどに倒す力、それは、ピンチの時に使うことを決めた。
牢獄から出るか出ないかをナイツと話していた。
「どうする?牢獄からは出るか?」
「まって、私たちはなぜ捕まったの?」
「それは、多分勘違いしている。魔導士の森を破壊したのは俺たちだと思われている。」
「確かに、破壊神を倒してしまったから、私たち以外にあそこには誰もいなかった。しかし、本当のことを言うべきじゃないかしら?」
「言っても信じてもらえないぞ、同様の事件が起こるまでは、信じてもらえないだろう」
「試してみなくては、わからないじゃない」
アリスは、牢獄の看守に話しかけた。
しかし・・・。
「黙れ、極悪人」
どん!っと、棒で突っつかれて、押し戻された。
「何よ、人が親切に話をしようとしているのに」
「アリス、あきらめよう、おとなしくしていてもことは起きるぜ」
「でも、大勢が死ぬよ」
「正義を気取っても、誰も信じてくれない。一度、行動したことは、そう簡単に変わらないんだ」
「ナイツ?いつもと違うね」
「違わねぇ~よ!疲れたから寝る!」
ナイツは横たわった。
そのころ、事は進んでいた。
とある島
「破壊神がやられてから、姿を現さないが何が起きている」
「はっ!都合のいいことに、破壊した者と思われ、ナイトの国の牢獄に捕まっています」
「それは都合がいい、順調か?」
「ええ!まもなくです」
そして、数日が過ぎた。
牢獄では、二人が大した飯にありつけず、弱っていた。
「ぐ~っ!あぁ~おなかすいた~」
「なんでこんなに貧相な思いをしないといけないの?」
「ん?なんか上が騒がしくないか?」
「おなかすいているから、何も聞こえないわ」
「アリス!やっぱ様子が変だぞ!」
ナイトの国は大騒ぎをしていた。
王が情報を求めて、多くの人を呼び寄せていた。
「いったい何が起きている。なぜ、他の国が滅びた?」
「わかりません。突然の出来事でして」
「おかしいではないか、悪の根源は、牢獄にいるのではないのか?」
「もしや!すぐに確認してまいります。」
将軍が牢獄に現れた。
「看取!二人はいるか」
「はい、くたばっております」
将軍は、鉄格子に強く手を当てた。
「いる!おい!貴様ら、何か知っているか!」
「将軍さん、俺らはそのセリフが何なのかさっぱりわからん」
「とぼけるな!どうやったのか隠しているな!」
どうやら、自分の取った行動の過ちを認めたくないみたいなそぶりだ。
「将軍さん俺らは、破壊を目論んでいた者を倒しただけだ。信じてないのはあんただ」
「うるさい!必ずあばいてやる!」
将軍はもどった。
「王様、申し訳ありません。あの二人が何かに手をまわしたのかもしれません」
「なんと、見切れていなかったのか」
ガタン!とお城の扉が開いた。
「将軍の言うことは、あてになりませんねぇ~」
「誰だ!」
「これは失礼!私は、ライデンと申します!」
「ライデン!?あの雷騎士のライデン様!」
「王様、この事件、ご説明しましょう。私たち七剣豪含む者たちにて、この世界で起きていることに目を向けていました。」
「そうだったか、何が起きている」
「率直に申し上げます。神が降臨しました!」
「なんと!神が!しかし、なぜ破壊など?」
「過去、強すぎる者を封印した、我々の国への復讐なのかは定かでありませんが、確実に弱いものを排除しようとしています。また、神は、大いなる神となっています。」
「なんだと!大いなる神は、神になってから、大切な仲間を殺すことによってなるという」
「はい!しかし、大いなる神は二通りあることを知りました。聖なる神と邪悪なる神!今回は邪悪なる神です。」
「そうか、これからどうすればよいのだ!」
「ナイトの国がなぜ破壊されないか調査は必要です。魔族の国、黒魔導士の国、魔獣の国は、その邪悪なる神が降臨しました。」
「そういえば・・。」
「将軍!心当たりがあるのかね?」
「ええ!牢獄に入れている二人が、破壊神を倒したとかほざいていました。」
「それは、本当のことでしょう。推測できる神は、大魔神、大破壊神、大魔導神、大獣神でしょう。私たちでも勝ち目はありません。その二人の力を借りなければならないかもしれないですね」
「いや待て!あいつらがこの国を亡ぼす可能性もある」
「将軍君、その考えを持つのもいいでしょう、ならばどうやって邪悪な神からこの国を守りますか?」
「うっ!それは・・・。」
「どうでしょう、王様!ご判断を!」
「おぬしに任せる!私では何もできん」
「では、我々、天龍会にお任せください」
天龍会とは、七剣豪の組織のことである。国境を越えての関係を保持する大きな組織でもあった。その組織は、他にもいくつかあるらしい。
ガチャ!牢獄のカギが開いた。
「出られるのか~」
「そうみたいね~」
「なんと!餓死状態ではないか!すぐに飯を用意してやってくれ!」
アリスとナイツは、豪華な食事を目の前に、行儀など考えずに飯を食べた。
「は~食ったぁ~」
「生き返ったわ」
コンコン!とドアがなって開いた。
「えぇ~!」
ナイツは驚いてしまった。
「君は私が分かるのかね!」
「七剣豪のライデン様ではないじゃないですか!」
「なら私の紹介は省略しよう」
「七剣豪ってあのゴーエンさんと同じ?」
「ゴーエンにもあったのか!」
「はい、瀕死状態を助けてもらいました。そして、あなたにも助けられました」
「なんかの御縁なのかもしれないな!しかし、事は急を要する!率直に聞くが、君たちは破壊神を倒したのかね?」
アリスは縦に首を振った。
「そうか、なら今回の事件の解明と防衛に手を貸していただきたい」
「事件って何ですか?」
「そうか知らなかったか」
ライデンは出来事をすべて話した。
「やっぱり、同じように国が滅びたか!」
「やっぱりとは何か知っているのか?」
「なんとなくですが、破壊神と魔神が出てきて、どちらも国を滅ぼそうと企んでいると思いました」
「そうか、君たちは強いと見たが、これからは何が起るかわかない状態だ、まず私と来てくれないか?」
「強いのは、こちらのアリスです。でも・・・」
「でも?どうした?」
「強い力は、たくさんは使えない・・・」
「いいえ、大丈夫よ!私なら力を貸せます!」
「アリス!お前!そんなことしたら・・・」
「いいの!何とか阻止しないと」
「訳ありの様だがよろしく頼む」
二人はライデンについていくことにした。
外に出た瞬間に、異常に築いた。
遠いが周囲の国から煙が上がっていた。
「これから、天龍会の本部へ行く、そこに君たちも来てくれ」
「はい、分かりました。」
「私は先に行く、本部への地図を渡しておこう。では、後程」
アリスは地図を受け取った。
少し長旅になると思い2人は準備に時間を取った。
そのころ、とある島
2人のなぞの者は到着していた。
「おお、無事戻ったか!」
「はい、ちょろいもんです」
「調子に乗るな、まだこれからが本番だ」
「まぁ~よい、早速始めたい!おい、ダンダリオン!」
「はっ!役者はそろいましたね!」
「大いなる神が4人そろった。一人なりないが問題ないだろう。例の武器を持ってこい」
使い「こちらです」
「さぁ~始めるぞ、この宝剣、ペンドラゴンを使って、時空に穴をあける!そして、封印された力を引き抜く!準備はいいな!」
世界の空が黒い雲に覆われた。
何が起きているのか、天龍会もアリス達も予測ができなかった。
何が起きているかわかるものがいた。
「来る!邪悪な力が復活し、世界は大戦争になる。強いものを封印し続けた、反発が今帰ってくる。」
4人の大いなる神は、時空に風穴を開ける魔法を唱えていた。
その島の上空に、黒い雲が渦を巻き、大きな穴が開き始めた。
「さぁ~帰ってこい、追放された者たちよ!その力でこの世界を乗っ取りたまえ」
物凄い勢いで、物凄い数の何かがこの世界に舞い降りた。
そして・・・
「ペンドラゴンよ、強大なエネルギーを吸収し、我が体と一体になれ」
4人のうちの長と思われる者が、宝剣ペンドラゴンに巨大な力を取り込んだあと、融合魔法によって、合体した。
「うぉぉぉぉぉぉ!」
残りの3人は、その力の前に吹き飛ばされた。
その瞬間に、時空は閉じて、空も戻った。
パン!ビリビリ!と音を立てながら一人の神が微笑んでいた。
「これが究極の神の力か!実に素晴らしい。時空から復活させた者がたくさんいるが、この世界を収めるのは、我々だ。究極の神となったいま、私と肩を並べるのは、過去の究極魔神リリスぐらいだ。」
悪の組織は、とてつもない力の差を持ち、降臨した。
それに対抗できる術はあるのか?アリスの力も邪悪な力の一つである。
もし、アリスがその力に乗っ取られたら、平和を維持しようとしてきた者たちは、敗北の道を歩むのではないだろうか。
魔王の城
大きな魔法陣が赤く光っていた。
光は激しくなり、黒い大きな物体が姿を現していた。