第十二話 超覚醒
第十二話 超覚醒
白魔導士の国で、細胞回復魔法を浴びた2人だが、いたって変化はない。
回復魔法の基本を学び、魔法のレシピを手に入れた。
魔導士の森へ入り、レシピを覚えながら進んでいた。
ナイツは何か異変を感じた。
「なぁ~モンスターいなくないか?」
「そういえば、そうね!私たちが怖いんじゃない?」
「それにしても、静かすぎだ」
森には、モンスターの影すらない。何かに支配されているような感じだった。
2人は、それでも進まなければならないため、先を急いだ。
森の中盤に差し掛かったところで、2人は休憩をすることにした。
「よし!魔法は覚えたわ!」
「早くないか?俺はまだ3つだ!」
「それは、遅すぎじゃない」
「まぁ~人には下がるってもんよ」
ガサガサ!と音が鳴った瞬間。複数の短剣を持った者が現れた。
「この森に入ってくるとは勇気があったもんだ」
「誰?」
「この森を占領する窃盗団だ!」
「そうか、通りでモンスターがいないわけだ」
「気付いていたんじゃね~か、生きて買えりたけりゃ、金品財宝を置いていけ。」
「あいにく、渡すものはなにももっていないわ」
「なら仕方ない!やるぞ!」
窃盗団は、一斉に襲い掛かってきた。
ナイツは剣を構えた。アリスも魔球を準備した。
「一応、剣と、魔法は使えるようだなぁ~」
盗賊団の攻撃は、複数の同時攻撃だったため、よけては、剣で盾を作りのくり返しだった。
「まぁ~思い知らせてやるが、俺たちはレベル50相当の集団だ。お前らは10も満たない野郎だろ。死ぬのも時間の問題だな!」
「はぁ~はぁ~、体力が大分落ちた。」
アリスもファイヤーボールやアイスニードルを繰り出すが、避けられる。
大きな魔法には、時間がかかるため、素早い窃盗団とは、相性がわるい。
だから、魔導士の森を占領したと考えられる。
「数が多すぎよ!このままだとやられてしまう」
その時煙幕で回りが見えなくなった。
「しまった!」
煙幕が晴れると2人は捕まっていいた。
そして、アリスを人質にし、金品財宝をよこせと言ってきたのだ。
「本当にないのです。」
「知らを切ったな、見ていろ!」
アリスは足と手と腰抑えられた。
次の瞬間、無数の剣が、アリスの胴体を貫いた。
「アリス~~~!」
ナイツが叫んだ。
剣を抜かれ、その場で倒れたアリス。
ナイツは、死を覚悟したが、そのまま死ぬ気はなかった。
「意地でも倒せる分だけ倒してやる!うぉぉぉぉ~!」
ナイツは暴れ出した。
心が乱れているナイツはただ剣を振り回しているだけだった。
攻撃は全然当たらない。
「ナイツ!」
「ん?なんだ?」
「ナイツ!私、アリス!」
「生きてんのか?」
「ヒルスがかけた魔法を覚えている?」
「細胞の回復か!」
「あなたも、相当強くなっているはずよ!」
「そんなことない、俺は、攻撃すら当たらない!」
「細胞が回復しているなら、脳を最大に使えるはず、体は予想以上に自由にコントロールできるわ。」
「やってみるけど、アリスは!」
「私は、刺された瞬間から剣を抜くときにまで、回復魔法を体内にかけた。願っただけなんだけどね!そこで気付いたわ、なんでも思い通りになる!」
ナイツは暴れている状態をいったんやめた。
「おっと、あきらめたか!」
「違う、もう負けるのをやめると決めたんだ。」
「はぁ?何言ってるんだ、お前!」
ナイツは、剣を天に向け、目を閉じた。
「行くぞ!」
ナイツは、剣をその場で踊るように振った。
「疾風連斬!」
無数の斬撃が飛び交った。
「こいつ、まだこんな技隠していたか!」
敵は一斉に離れた。
ナイツは大きく構えて、一人に向けて剣を振った。
「空波斬!」
凄い早さで、一人の敵に斬撃が飛び、見事的中した。
敵は、一人倒れた!
「こいつ、さっきとは様子が大分ちがうじゃねぇ~か!」
「剣に風をまとわせることが出来た!これはすごい!」
ナイツは心の中でそう思った。
「ん?もう一人の姿がないぞ!確か死んだはず!」
アリスは倒れたところから姿を消していた。
「よそ見してるんじゃねぇ~」
ナイツはさらにもう一人に、別の技を食らわせた。
「炎斬裂空」
炎をまとった空中一回転斬り!
「うわぁ~!」
また一人倒した。
窃盗団も負けてはいないと、6人の魔法使いが中級魔法を詠唱していた。
「そこの魔法使いども!覚悟!」
空から聞こえたのは、アリスの声だった。
片手には大きな魔球を持っていた。
「いつの間に!」
敵は、上を向いたが間に合わないため、アリスに向けて、魔法を放った。
「ファイヤーストーム」
「アイスビーム」
「エアーカッター」
「サンダーショット」
「ロックプレス」
「ウォータートルネード」
「そんな魔法効くかぁ~!」
大きな魔球を手前に持っていき、解き放った
「メテオ・バン!」
敵全体への超大ダメージだ!
周辺は爆発と共に爆風で吹っ飛んだ。地面は大きくえぐれ、クレーターみたいになった。
ひとりを残して完全に敵は倒れた。
「ん?まだ倒れていないやつがいる」
アリスは地面に着地した。
「おい、アリス!俺まで殺す気か?」
「それより、あいつを見て!」
目の前には、窃盗団の頭が立っていた。
「やってくれるじゃないか!まぁ~雑魚に用はないが」
なぜか、黒いオーラをまとっていた。
「でも、俺の作戦が失敗したじゃないか!」
「なんか邪悪な気配がしない?」
「確かに、やばそうだな!」
敵は、突然力を入れ始めた。
「はあー!」
そして、暗いオーラが周りを一瞬覆いつぶした。
目の前に立っていたのは、紫色の体に、異常なまでの肉体。腕には模様が。
「あの模様見たことあるわ、こいつ魔神よ!」
「残念、大はずれ!魔神ではない!神は正解だが!」
「なら、何神よ!」
「破壊神だ!窃盗団を利用して、大破壊神になろうと思ったが、そもそも弱すぎた!」
「なんか企んでいるように思えるわ、次々と神の領域が姿を現して!」
「貴様には関係ないことだ、ここで始末してやる」
「ナイツ!来るわよ!」
破壊神は、姿を消した。
「消えた?」
「いいえ!超高速で動いているだけ!私に任せて!」
「まじかよ、神の領域のやつの強さは次元が違うんじゃないのか?」
いきなり、破壊神のジャベリンが目の前に現れた。
それを瞬時に避けることが出来た。
「やっぱり、細胞回復が瞬発力にも大きく影響しているわ。」
「俺も避けられたぜ」
「意外とやるじゃないか、一発では死なないか」
破壊神は指をアリスに向けた。
「これは、避けられないぞ」
指から、極細のビームが出た。
余りの速さに動く間もなく、アリスの心臓に直撃した。
しかし、アリスは倒れない
「何?」
破壊神はビームを超連発した。
アリスは、ハチの巣状態だ。立っているのはおかしいぐらいになっていた。
「もしや、死んで立っているだけか?」
そのとき、地面が大きく揺れ始めた。
アリスの体は、黒く闇に包まれていく。
そして、アリスは丸い闇のボールになった。
「なんだ、あの球は?」
「アリス、大丈夫か?あいつ一体何者だ?」
地震が収まった。
闇の球が割れ始めた。そして割れる寸前に、爆発した。
「ん?」と破壊神が思った瞬間に、目の前にパンチを出す寸前のアリスがいた。
「がはぁっ!」
アリスは、素手で破壊神の腹にパンチをした。
さすが破壊神だけあって少し動いただけだった。
しかし、破壊神後ろは、森がすべて吹き飛んでいた。
「一発のパンチがこの威力!何者だ!」
「ブラックアリスとでも呼べば!」
アリスは容赦しなかった。
一瞬にして、大鎌を召喚した。
そして、大きく振りかぶった!
「残虐かまいたち・極」
冷静で冷酷な口調で、繰り出した技は、死神族の大技だった。
「死神か!ハイ・プロテクト!」
破壊神は、硬いガードをしたが、体全体が切り刻まれた!
「へ~バラバラならないの!強いのね」
「予想外だ、ここでこんな奴に会うとは、私も負けられん。」
破壊神は、巨大な破壊玉を作り出した。
そして、10メートルほどの大きな玉となり、アリスへ解き放った。
「オール・エンド!すべて消し去ってしまえ」
「あぁ~つまらないわ、デス・ジャ・・・。あっナイツにバレてしまう。」
「少し抑えないとね」
大鎌が赤色に光始めた。
「消えるのは、あ・な・た・よ!破壊神さん」
大鎌を横に振り払った。
「ムーン・セパレート」
大鎌の赤い斬撃は、オール・エンドをきれいに真二つに割れ、破壊神も真二つになった。
「まさか、この私が・・。すまん、アンジ」
「粉砕波」
アリスは一瞬で真二つの破壊神の前まで行き、跡形もなくなる技を繰りだした。
「あら、何か最後に言っていましたね」
しかし、破壊神の放った。オール・エンドの破片は、近くの村を丸ごと消し去り、ナイトの国の一部を消し去った。
「アリス!無事だったのはいいが、それはなんだ?」
「超覚醒よ」
「覚醒?それはどこで教わった?」
「もう一人の私の前世の力よ」
「でも、この力を使うと、乗っ取られそうになるわ!細胞回復と属性追加の魔法によって好きに覚醒できるようになったわ。ピンチはこれで大丈夫ね」
アリスは、その場で倒れた。
「おい、大丈夫か!」
それから一時たち。
「貴様らかこの大きなことをしたのは!」
ナイトの国の将軍様が現れた。
「大罪人として、牢獄にいれる。後で覚悟しておけ」
成すすべもなく捕まった。
転送魔法により、ナイトの国の城へ運び込まれた。
そして、牢獄へ連れていかれた。
ナイツは蹴飛ばされ。
アリスは、気を失った状態にも関わらず。顔面を蹴っ飛ばされ吹っ飛んで牢獄へ入った。
「お前ら、理由もしらないで、こんなことするのか」
ナイツが反論したが。
「大勢の民を殺されて、理由を聞くやつがいるか?黙って入っていろ」
ナイツは、自分たちがいなかったら大変なことになっていたかもしれないのに、牢獄に入れられるのには納得いかなかった。
やがて、アリスは目を覚ましたが、鼻の骨が折れていて、すごく痛かった。
「今回復してやるからよ・・・・。あれっ?魔法が使えない」
「お前ら馬鹿か?ここは昔、大魔神を捕まえた時の牢獄だ、魔法も何もできないように仕掛けてあるんだ」
「痛い、耐えないといけないの?」
「これから、絶対すごい仕打ちが来るぞ、何とかしたいが」
世界は、また、恐怖を感じることになった。
破壊神の技だったため、世界に神々が降臨したと噂になっていた。
世界をきれいにするために排除されると思う者も少なくはなかった。
一方、とある島で
「なんと破壊神がやられたか、計画が丸つぶれだ。邪魔したやつは誰だ。」
「アリスです。」
「なぜわかる。星を二つに割るほどの力があり、その力を私が封印したはずなのですが、早いうちに始末しておけばよかったか」
「あと2人がやられる前に事を進めろ!」
「はいわかりました。」
「しかし、アリスの成長が異常だ。何が起っている」
こちらも、アリスの存在が大きな邪魔な存在へと変わりつつあった。