第99淡 対スライムその83
ドンッ……ドンッ……
「んっ……、んっ……。」
ビッグパープルスライムのワンツー触手ストレートを胸で受ける俺。
1発目は、足を踏ん張って堪え切ったものの、2発目で後退りしてしまう。
しかしながら、ダメージの方は、ほとんどない。
某有名RPGゲーム的に表現すると……アルベルトはダメージをうけない!っという感じ。
そして、それは新装備である鋼鉄製胸当ての効果である。
1週間程前、ビベイロの道具屋から待ちに待ったブツを受け取り、様々な耐久試験を経ての実戦投入。
受け取る時に道具屋の看板娘から、しつこくニーナという名前をプレゼンされたのはこの際置いておくとして……
スライムホイホイにおいてビッグパープルスライムの魔力を枯渇させた後、触手による攻撃への防御力を試していた。
その新装備の胸当てというのは、胸部は厚みのある1枚ものの鋼板で覆われているが、
腹部は屈伸があるため、湾曲させた横長の鋼板を縦に重ね合わせた構造をしており、
もう少し試験を経てみないと分からないものの、胸部周辺に関しては防弾ベストの性能からNIJ規格のタイプⅡという警察官が持っているような拳銃の近距離弾でも貫通できない仕様を目指したもので、
遠距離からの弓矢に対し、高い防御力を期待出来る。
ただ、どうやら近距離における打撃等に対しても、その防御力は有効のようである。
「うんうん……下にレザーアーマーを重ねて、衝撃をある程度吸収出来るようにしてるとはいえ、真っ正面からビッグボディの攻撃を受けてこれなら、防御面での不安はだいぶ解消されるな。
この墨色のムラのおかげで、視認性も低くなって、発見され難くなってるし。」
外見も当初は、白銀に輝いて華やかだったのが、黒錆び加工をした事で、墨色をしたなんとも武骨な感じになっており、
今のところ性能・外見ともに満足いく出来であった。
ちなみに装甲厚上、籠手とともに結構な重量となってしまったのだが、今の俺の筋力からすると、前世の装備重量比換算ではだいぶ身軽と言える状態であるし、
むしろ、身体の重みがなくて戦いづらかったのが軽減出来ている。
「どりゃぁっ!」
ドゴォンッ
「フシュー……。」
そんなこんなで、俺からは重みを増した振り下ろしの重打を何度か繰り出し、ビッグパープルスライムを仕留める。
正面からがっぷり四つで打ち合ったにも拘わらず、大してダメージを受ける事なくであった。
まあ、よくよく考えたら、俺自身の素の耐久からして、結構な堅さなんだけどね。
エビルクラブとかで耐久の数値は20なところ、今回のレベルアップで俺の方は24だ。
「あとは折りを見て、持久向上の効果を試さないといけないか……しんどいけど武装走とかかな~。」
性能を試験出来ていないのは付加した持久向上くらいなので、試さないわけにはいかない。
それも近日中にである。
前世で体験した武装走の苦しさを思い出して、ちょっぴり顔を顰める俺であった。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:8歳
身長:134cm
体重:31kg
出身:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:99
状態:正常
体力:39/39
魔力:12/12
筋力:35
反応:21
耐久:24(➕1)
持久:22
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅱ
能力:棒術経験値向上D、棒威力向上D、重打E、擦過耐性E
技能:棒術Ⅲ、投擲術Ⅲ、探索術Ⅲ、格闘術Ⅱ、弓術0
加護:なし
装備:鋼杖⬆反応向上F、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ鋼鉄製短冊籠手⬆筋力向上F、同胸当て⬆持久向上F、木製短冊背甲、同肩当て、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




