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作業ゲー的異世界転生  作者: 蜜柑太郎
第1章 ホイホイ
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第9淡 対スライムその5

昨日、Lv7になって魔力が増えた事で、俄然、魔法に対する意欲が出てきたのであるが、いかんせん使い方が分からない事態となっていた……。


そこでカルロス爺さんに質問してみると

「魔法の使い方?まだ、アル坊には早いじゃろう。

慌てんでも成人する1年前から、火起こしやら水作りやら生活に必要な魔法は、特訓させられるからな。」


そんな感じで流されてしまった。


これは、また酔いに酔わせて聞き出すしかないか……。


そう心の中で黒い笑みを浮かべていた俺だが、ひょんな事から解決というか、魔法の使い方の糸口が見付かる。


夕食時の団らんの中で、父親のアレハンドロが、マルタに話した内容からである。


経緯としては、これからゴブリンの出没が多くなってくるから、気を付けないいけないという話の流れで、

俺が「父さんは、狩りで沢山森に入ってるけど大丈夫なの?」と聞くと

アレハンドロは、「父さんは、強いから大丈夫だ。狩人ハンター能力アビリティ、『剛弓』で一発さ。」

とのこと。


俺は、ここぞとばかりに『剛弓』とはなんぞやと可愛らしく聞くと、

なんでもアレハンドロの持つ能力アビリティによって魔力を込めて放つ攻撃で、これにより通常では考えられない威力の弓矢を放てるらしい。

で、俺が狩人を継いでくれたら、その内出来るようになるとの事だ。


他にも断片的に色々言っていたが、

結論から言うと魔法は、能力アビリティによるものという事である。


この世界では、生活魔法のような効果の薄いものは、技能スキルを磨く事で使えるようになるが、攻撃に使えるような効果の高いものは、基本、能力アビリティを介さないと出来ないようなのだ。


つまり、今の俺は、魔力があるだけで攻撃手段として使う方法を持ってない状態。


これを知って少しげんなりしたが、職業レベルが上がれば、能力アビリティが増えるのだから、それまでのお楽しみと思って気持ちを切り替える事にした。


で、気を取り直したら、朝からスライム叩きに清を出す。


「チェストーッ!」


バチン


「フシュー……。」


今やスモールグリーンスライムなんて一発であの世行きだ。


今朝までの間に湧いたスライム20匹程度を手早く倒していく。


倒し終わっても、まだ昼食に戻るには早過ぎる時間であった。


日当に座って発生ポイントを眺めながら小休憩。


どうやら最後のスライムを倒した辺りでまたレベルが1つ上がったようだ。


「基本レベルが上がるのは嬉しいけど、今は職業ジョブレベルの方が早く上がって欲しいな……。」


その時、視界の端にウニョウニョと動く緑色の物体。


もちろん、スライムだったんだけど、明らかに今までの奴より大きい。


ちなみに今までのスライムは、30㎝から大きい奴でも50㎝くらいまでだ。


今、50mくらい先の樹の陰から出てきた奴は、1mはある。


透かさず鑑定単眼鏡モノクルアプライザーを通して見るとグリーンスライムという魔物モンスターだった。


「スモールでないのは、こんな感じか……。」


ステータスはこんか感じ。


種族:グリーンスライム

状態:正常

体力:9/9

魔力:3/3 

筋力:3

反応:2

耐久:8

持久:5


「うわっ、強っ!!色が赤くないのは不満だけど、スモールグリーンスライムの3倍は強いんじゃないか?」


スモールグリーンスライムが成長したやつなのか、それとも上位種なのか不明だが、デカさに見合う強さを持ってる。


しかし、スモールグリーンスライムの相手をし続けるのにも限界を感じ始めていた俺としては何とかして、グリーンスライムを倒したい。


そのため、どうにか出来ないかと警戒しながら様子を窺う事にする。


結果、ぷよぷよとその場に留まって時折近付いてきた虫を捕まえて取り込んだりしているというスモールグリーンスライムと全く同じ行動パターンであった。


行動パターンだけでなく身体が大きいだけでスピードも同じくらいしかない。


「動きは、トロそうだな……。足も速いようには見えないし…………ここは1つ安全策を取るか。」


俺は、慎重にグリーンスライムに近付くと10mくらい距離をとった状態で石を投げつける。


子供の拳大の石ならゴロゴロ転がっているから、効果が少しでもあれば、悪くない手だと思う。


バンッ


投げつけた石は、放物線を描いてグリーンスライムにぶつかる。


当たった瞬間、スライムの身体を一部を飛び散らせるとともに、ぼっこりと表面を凹ませて、核の惜しい所までめり込んでいた。


「おっ、意外と効果ありそうだぞ。」


更にスライムが表面を凹まされた後、仰け反るような動きをしたため、効果ありと踏んだ俺は次々に石を投げつけていく。


スライムの方は、飛んでくる石に俺を敵と認識したのか、もぞもぞと近寄ってくるが、

スピードがないため、その分俺が後退りする事で距離は保てている。


「俺のコントロールも結構イケてる気がする……おりゃおりゃおりゃ、さっさと潰れちまえっ!」


石がぶつかる度に身体の一部を飛び散らせ続けるグリーンスライム。


20個程、石を投げつけたところで、グリーンスライムの大きさは元の半分くらいになっていた。


大きさだけなら、スモールグリーンスライムと変わらないくらいである。


「頃合いか……一気に決めるぜ。」


俺も決め所と踏んで、突撃を敢行。


それと同時にスライムの方も、風船大の水球を飛ばしてきたが、スコップで簡単に打ち崩して、無傷で接近する事に成功する。


あとは、対スモールグリーンスライムと同じであった。


「せいっ!せいっ!せいっ!」


俺は、立て続けにスコップによる打撃を加える。


力任せにぶっ叩くこと5回、いつものフシュー音と共にグリーンスライムは四散した。


「ふぅ~っ……大勝利!

……難敵だったけど、ステータスのインパクト程は強くなかったな。」


咄嗟に考えた戦法がバチッとはまったのも大きいのかもしれないが、そこまで労せずしてグリーンスライムを倒す事が出来た。


ただ、経験値の方も思ったより少なかったみたいで、この戦いではレベルアップはしていない。


まあ、その代わりに『投擲術』の技能スキルが追加されていたので、テンションはなんとか維持。


……午後からまた湧いたスモールグリーンスライムを倒し始めた所で、すぐにもう1レベル上がったけどね。


レアなのか分からないけど、出来るだけ早くまたグリーンスライムにエンカウントしたいもんだ。


そう考えながら、俺は家路についた。



ーーーーーー


主人公のステータス

名前:アルベルト=ガルシア

種族:人

性別:オス

年齢:3歳

身長:96cm

体重:15kg

出身地:カルベリオ村

所属:なし

カルマ:-1

モラル:-2


Lv:9

状態:正常

体力:7/7(➕1)

魔力:1/1

筋力:7(➕1)

反応:5(➕1)

耐久:5(➕1)

持久:5(➕1)

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士0

能力アビリティ:棒術経験値向上F、棒威力向上F

技能スキル:棒術0、投擲術0

加護ギフト:なし

装備:溝堀りスコップ、麻の服、木皮の靴

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