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作業ゲー的異世界転生  作者: 蜜柑太郎
第1章 ホイホイ
89/466

第89淡 対スライムその76

「う~、この寒さには全然慣れないわ……。」


朝の散歩兼稽古という名目をつけて、調整池へと向かう俺。


朝食後、アレハンドロから軽く手解きを受け、それから自己鍛練に移ったという流れだ。


ただ、まだ冬も半ば、相変わらず寒い日か続いている。


樹のうろに置いてある装備を着てもまだ寒いくらいであった。


装備を装着し終えたら、スライムホイホイに前進。


「……パープルはっと……。」


岩陰から覗き込んだ先に居たのは40㎝程の大きさで、半透明の紫色をした塊。


念のため鑑定してみると……


種族:スモールパープルスライム

状態:正常

体力:52/52

魔力:20/20

筋力:12

反応:8

耐久:20

持久:12


スモールパープルスライムである。


ステータス値的には、ビッグピンクスライムが……


体力:56/56

魔力:18/18

筋力:11

反応:7

耐久:17

持久:11


こんな感じだから、そこまで差はない。


しかし、カルロス爺さんから聞いた事前情報によれば麻痺効果もある雷属性の魔法を使ってくるので、火球ファイアボールとはまた違った気を付け方をしなければならない。


「動けなくなるのは、かなりヤバいよな……。」


動きが止められてしまえば、更に2度3度と続けて攻撃を受けてしまう。


しかも、無防備な状態でである。


とはいえ、いつまでも指をくわえて見ているわけにもいかない。


経験値を稼ぐため、倒さなければならない相手だ。

 

そこで、前世の知識から、予め村の倉庫から拝借しておいた鉄製の鍬を手前に突き刺す。


避雷針代わりにという事で、とりあえずの対策である。


そして、意を決して拳大の石を投擲。


「ふんっ!」


ヒュッ……ガンッ


ぶつかった石は少し欠けたが、スモールパープルスライムの身体をしっかり削っていた。


やっこさんは、こっちに気付いたな……。」


ダメージを与えられた事を確認しながらも腰を軽く落として、いつでも最速で動ける態勢を取る俺。


炎柱フレイムピラーに対してと同様に兆候を感じたら、空かさず横っ飛びして回避する予定であった。


バチバチバチ……


「っ!?」


次の瞬間、そんな俺の耳に届く空気を引き裂くような音。


魔法攻撃を警戒していた事もあって咄嗟に樹の陰に入る。


そのため、スモールパープルスライムから何か光る線状のものが放たれたのは、垣間見たが、全体像は確認出来なかった。


念のため、自分の身体を点検してみたがダメージはもちろん変調もないようだ。


「……今のが、雷属性の魔法?想像していた程というか、むしろ、イメージより全然はスピード遅いな。」


前世の知識からすると、雷の速度たるや桁違いの速さである。


それこそ音が聞こえた時点で当たっているだろう。


しかし、垣間見た雷属性の魔法、雷線サンダーは、見た目こそ光を放つ小さな雷であったが、狩人ハンターが本職じゃない村人が射る弓矢くらいの速度で飛んできた。


俺が投石した位置に撃ってきたと思われるが、特に威力を物語るような跡も残っていない。


「心配した割には、これまでと同じ戦い方で大丈夫そうなんだけど……。」


試しにわざわざ樹の陰から身体を晒して、2投目となる石を投擲。


ヒュッ……ガン


バチバチバチ……


前回と同じく素早く樹の陰に入ったが、今度は雷線サンダーの全容を確認する事が出来た。


形状や速度については、1度目に確認した認識と相違ない。


一方、前回見れなかった着弾については、回避前に俺が居た位置に落ちていた。


しかも、避雷針代わりに設置していた鉄製の鍬に全く誘引される事なくである。


どうやら狙った所へかなり正確に当てられるようだ。


前世の先入観で雷魔法を捉えていたが、見た目や電気的な効果はともかく、魔法としてはかなりゲーム的な要素が強いというか、火球ファイアボールと同様に、電気の塊を飛ばすような魔法であった。


つまり当たらなければ、弓矢やら物理的な遠距離攻撃と変わらないという事だ。


「先入観に囚われず一つ一つ丁寧に事前情報を仕入れるべきだったな……なまじ前世の知識がある分、こういう感じとは……。」


いずれにせよ、対処法はこれまでと同じだ。


あとは、魔力を使い果たさせて接近戦に持ち込むだけである。


気を取り直した俺は、新たに4回、投石と雷線サンダーの応酬を経て、近接戦闘に移行する。


シュッ……シュッ……


攻撃圏内に入ると、スモールパープルスライムは触手による2連打撃が繰り出してきた。


これまでのワンツー攻撃と違うのはその軌道。


直線的な軌道だけでなく、曲線・角度をつけたフックやアッパーも織り混ぜてくる。


「そこっ……おっと……危なっ……神の右かっ!?……。」


流石に俺もすぐには反撃に転ずる事が出来ず、打ち筋を見極める時間が必要だった。


ただ、それも2~3分で終わり、息を整えるために1度距離を取る。


「フゥ~……やるねェ……。でも、そんな大振りが通用するのは初っぱなだけだぜっ!」


ドゴォッ


俺は、鋼杖スチールスタッフの間合い一杯、相手の射程外から突きをお見舞いする。


「そいっ!」


ドゴンッ


そして、勢いのまま、突き出した杖の反対側を振るって2打目。


踏み込んだ分、スモールパープルスライムの攻撃圏内に入ったため、触手によるストレート、続けざまにフックが向かってくるが、

それぞれ右、下に避ける事が出来た。


いくら攻撃のバリエーションが増えても、狙ってくる所が急所ばかりだから、読みやすいしね。


「オラオラオラァッ!」


ゴス、ゴス、ゴスンッ


ここで、俺は相手の攻撃と攻撃の合間を逃さず3連続突き。


コンパクトな動作でであるが、威力は重打ヘビーヒットで補っている。


「フシュー……。」


スモールパープルスライムもこの連撃で致死ダメージに到達したようで、白い包みを残して地面に消えた。


「おっ、この包みは……低級の麻痺耐性薬?。

麻痺を治すんじゃなく、耐性?先に飲んでおく系かな。」


レベルも上がっていたものの、少しドロップに期待していた分、拍子抜けした感はあるが、一応、麻袋に入れておく俺。


ドロップがないよりはもちろん良いんだけだど、なんか消化不良……。


いまいち有り難みが分からないアイテムなどと思う俺であったが、

このアイテムの真価が分かるのは……それはまた別の話。



ーーーーーー


主人公のステータス

名前:アルベルト=ガルシア

種族:人

性別:オス

年齢:7歳

身長:129cm

体重:28kg

出身:カルベリオ村

所属:なし

カルマ:-1

モラル:-2


Lv:89

状態:正常

体力:38/38

魔力:11/11

筋力:32

反応:20(➕1)

耐久:21

持久:21

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士Ⅱ

能力アビリティ:棒術経験値向上D、棒威力向上D、重打ヘビーヒットE、擦過耐性E

技能スキル:棒術Ⅱ、投擲術Ⅱ、探索術Ⅱ、格闘術Ⅰ

加護ギフト:なし

装備:鋼杖スチールスタッフ⬆反応向上F、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)

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