第86淡 対スライムその73
「カルロス爺さんも歳いってるだけあるって事か~。」
鑑定単眼鏡でカルベリオ村の住民や家畜等を片っ端から確認していく事、約1ヶ月。
バレないように慎重に鑑定したため、時間はかかったが身近に接するものについてはだいたいステータス等を把握出来た。
結論として、村人の中で、一般的なステータスを大きく上回っている人間は約10名。
その内1名を除けば、カルベリオ村自警団のメンバーである。
引退している者もいるが、職業が狩人だったり、ある程度、森で動物はもちろんゴブリン等の魔物と戦闘してきた人間だ。
それでも、アレハンドロには遠く及ばず、レベルにして40~50そこそこ。
ステータスの鑑定結果は……
体力:17/17
魔力:12/12
筋力:14
反応:15
耐久:12
持久:14
装備:青銅弓、青銅槍、木矢束、革鎧、同帽子、同靴、麻の服、麻の帽子
だいたいこんな感じで、普通の村人に比べると職業や能力の補正抜きでも、2倍以上強いと言える。
で、自警団以外の1名というのがカルロス爺さんなわけだが、そのステータスは……
名前:カルロス=エンリケス
種族:人
状態:正常
体力:13/13
魔力:32/32
筋力:10
反応:16
耐久:11
持久:13
職業:牧師Ⅲ
装備:綿のニット帽、樫の杖⬆魔力向上F、麻のローブ、藤蔓の腕輪⬆反応向上F、銀の指輪⬆魔力向上F、革の靴
という事でLv50~60くらいの数値を叩き出していた。
しかも、レア物じゃないにしても、付加により強化された装備持ち。
それを思い返しての冒頭の言葉である。
まあ、魔力を除けば、既に数値の上では俺が上回っているし、アレハンドロの時程の衝撃はないどね。
「……ふむ、機会があればビベイロの街の人達も鑑定して、サンプル数を増やしておきたい所だな。」
俺はそんな事を考えながら、恒例のスライム叩きに調整池へ。
相対するのは今回もビッグピンクスライムだ。
投石と伍火球の応酬からの鋼杖と触手ワンツーの応酬。
最近は、杖を両手で地面と平行に持った状態で触手ワンツーを下から押し上げ、大きく往なして作った隙に、蹴りを入れたりと、肉弾戦のバリエーションを増やしている。
成長により徒手でのリーチが少しずつ延びてきていたため、前世の自衛隊での経験を元に試してみたところ、昔取った杵柄という事で思いの外スムーズに繰り出せたからである。
スライム相手なら、固めのサンドバッグを殴ってる感覚だしね。
「フシューッ……。」
そして、杖による突きや蹴り、肘打ちを何度が入れていくと致死ダメージに到ったようで、空気の抜けるような音ともに地面に消えるビッグピンクスライム。
これにより俺はレベルアップを果たす。
「……ステータスオープン……うん、まだビッグピンクスライム単体でもレベルが上がるね。」
更に、前述の通り肉弾戦のバリエーションを増やしていたせいか、技能に格闘術Ⅰが追加されていた。
格闘術0でなく、いきなりⅠなのは前世でそれなりにやっていたからだろう。
「こうなると近い内に徒手格闘用の装備も作るか買うかしないといけないな……。」
付加等による強化に加え、新たな装備についても検討を始める俺であった。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:7歳
身長:127cm
体重:26kg
出身:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:86
状態:正常
体力:38/38
魔力:11/11
筋力:31
反応:19
耐久:21(➕1)
持久:20
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅱ
能力:棒術経験値向上D、棒威力向上D、重打E、擦過耐性E
技能:棒術Ⅱ、投擲術Ⅱ、探索術Ⅱ、格闘術Ⅰ
加護:なし
装備:鋼杖、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




