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作業ゲー的異世界転生  作者: 蜜柑太郎
第1章 ホイホイ
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第80淡 対スライムその67

ブンッ……ブンッ……


「うむ……なじむ、実になじむぞ。」


朝イチ、スライムホイホイに向かう俺が行きすがら振っていたのは、160㎝程の長さで鈍い光沢を放つ鋼杖スチールスタッフ


オール鋼鉄製で特に意匠は施されておらず無骨な作りをしているが、両方の先端部が若干太くなっており、振り下ろした際、威力を発揮するとともに、相手の飛び道具を弾き易いようになっている。


まあ、元々は、槍の柄だったんだけどね。


それを俺が穂先は必要ないからと外して貰った物である。


購入に当たっては、1ヶ月かけて作成した燻製の売上をあれだけ入れ込んでいたスイーツにかけるお金もそこそこにして、大半を突っ込んだ。


その額、金貨2枚。


カルロス爺さんから得た知識から貨幣は石貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、ミスリル貨の6種類。


小麦等の物価から推測すると石貨が前世の百円くらいの価値であり、あとは、上位にいく毎に10倍の価値になるので、

金貨2枚では、約20万円の買い物という事になる。


俺も最初は高いと躊躇したが、これから更に敵の耐久値等も上がってく中、強度に不安が残る鋤に命を賭けるのかとよくよく考えた時、オール鋼鉄製の武器を選択したのである。


で、流石に子供が槍なんて持っていたら不自然なので、目立ち難いよう柄の部分だけにした結果、呼称上、鋼杖スチールスタッフとなったわけだ。


ちなみに武器屋での購入にあたっては、冒険者ギルドを介し、雑用の依頼を出して、代行者を使っている。


「……よし、例の奴が湧いてるな……。」


そして、そんな鋼杖スチールスタッフの実戦投入が本日。


相手はスモールピンクスライムである。


スモールピンクスライムのステータスはこんな感じ。


種族:スモールピンクスライム

状態:正常

体力:44/44

魔力:16/16

筋力:10

反応:7

耐久:17

持久:11


魔法を除いても、もはや村人の手には余る基本性能だ。


まあ、逆に言えば、魔法さえクリアすれば、俺にとっては手頃な相手かもしれない。


とりあえず俺は、セオリー通り石の投擲攻撃を開始。


「せいっ!」


ガンッ


この辺りの耐久値になってくると、ある程度硬いものに当たったような着弾音になる。


それでも、ピンク色の表面が削られ窪んでいるのでダメージは通っているようだ。


「あとは魔法攻撃への対処だけど……果たしたカルロス爺さんに聞いてた通りか……。」


ボゥゥッ×2


「やっぱりかっ!」


飛んできたのはテニスボール大の火球ファイアボールが2発。


サイズからするとスモールイエロースライムが放ってきたのに近いが、

上位種だけあって魔力の練りが上手く、その分だけ炎が濃縮されており、多少威力が高くなっていそうだ。


とはいえ所詮は火球ファイアボールと侮る事なかれ……決定的な違いがある。

それは、2発同時に撃ってきた事。


「ちぃっ!」


バンッ


そのため、1発を叩き落としながら、もう1発に対しては真横にスライドして避ける必要が出てくる。


ボゥゥッ×2


「おいおいっ!っと。」


そこに再び同時2発の火球ファイアボール


バンッ


今度は打ち上げ気味に杖を振いながら、横移動で対処するが、

態勢に不安を感じ始めたため、慌てて樹の陰に身を隠す俺。


ボゥゥッ×2


これにより、続けて放たれた3度目の双火球ツインファイアボールは、樹の幹に邪魔されて、立ち消える。


「……そろそろ撃ち止めかな?」


ボゥゥッ×2


そう思って顔を出した所に4度目。


これにはすぐさま顔を引っ込め、事なきを得た。


ただ、スモールピンクスライムの火球ファイアボール祭もここで撃ち止め。


以降は姿を曝しても、火球ファイアボールを撃ってこなくなった。


「ふぃ~、2発同時が4度って事は、合計8発も撃てるのか……。」


なかなかの手数、大盾で受けきる重戦士のような戦い方ならまだしも、今の戦い方ではいつか被弾してしまいそうである。


「落ち着いたら対策を考えないとな。

……さしあたっては接近戦に集中しないとだけど。」


俺は、双火球ツインファイアボールへの対策案出を心に誓いつつ、ゆっくりとスモールピンクスライムへと歩を進め、近接戦闘に移行する。


ヒュッ……ヒュッ……


「おっとっと!」


50㎝程の距離まで詰めた時、スモールピンクスライムが繰り出してきたのは、ボクシングでいうワンツーであった。


触手ストレートの2連撃。


バックステップで距離を取ったからいいものの、手数が2倍になったという事であり、近接戦闘でも被弾の確率が高まったと言えよう。


「まあ、来ると分かれば……せいっ!」


ドスッ


幸いにもリーチはこちらが上なので、先手を取れる。


しかもワンツーを毎回ご丁寧に顔目掛けて繰り出してくるので、上半身を左右に素早く揺らせば避けられない事はない。


やむを得ず回避しきれない時は、態勢を崩してまで無理に避けたりせず、

杖の真ん中付近で受けるか、最悪腕を固めて受ける事にする。


ヒュッ……ヒュッ……


ドスッ……ドス……


互いに攻撃の応酬が繰り広げられるが、ステータスはもちろん近接戦闘技術でも上回っている俺は、着実にダメージを与え、かつ、相手の攻撃を往なしていく。


「フシュー……。」


そして、5~6発程弱突きを加えたところで、致死ダメージに至ったスモールピンクスライムは、地面に吸い込まれるように消えた。


「よしよし、鋼杖スチールスタッフの使い心地もまずまずだし、スモールピンクスライムを倒してレベルも上がって、悪くない戦果だな……ん?」


そこで勝利の余韻に浸る俺の目に、スモールピンクスライム消えた場所に残る薄藍色の液体で満たされた小瓶が飛び込んで来る。


鑑定した結果は……


品名:魔力回復薬マナポーション

品質:低級

効果:魔力を10回復

備考:連続使用可


「……価値は確認しないと分からないけど、低級でもフル容量だと、今の俺の魔力なら全回復出来るし、良いドロップじゃん。」


俺は、小瓶を拾い上げ、まじまじと眺めながら呟く。


これで魔力にだいぶ保険が出来るので、気兼ねなく重打ヘビーヒットを放てる事になる。


万が一に、強力な魔物モンスター等に遭遇した場合でも有効であろう。


スモールピンクスライムは、なかなか手強い相手だが、

ドロップアイテムを考えたら、結構オイシイな……などと考え始める現金な俺であった。



ーーーーーー


主人公のステータス

名前:アルベルト=ガルシア

種族:人

性別:オス

年齢:7歳

身長:124cm

体重:24kg

出身:カルベリオ村

所属:なし

カルマ:-1

モラル:-2


Lv:80

状態:正常

体力:38/38(➕1)

魔力:10/10

筋力:29

反応:18

耐久:20

持久:19

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士Ⅱ

能力アビリティ:棒術経験値向上D、棒威力向上D、重打ヘビーヒットE、擦過耐性F

技能スキル:棒術Ⅱ、投擲術Ⅱ、探索術Ⅱ

加護ギフト:なし

装備:鋼杖スチールスタッフ、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)

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