第70淡 対スライムその59
「そりゃっ、大回転魔球っ!」
ヒュッ……ドスッ
スライムホイホイ2号機でブラウンスライム3匹相手に次々投石をしていく俺。
既に火球を撃たせて相手の魔力は使い果たさせているので、ずっと俺のターンである。
本来ならば、ビッグブラウンスライムと再び戦いたい所であったが、
秋の収穫祭で近くの地域が使われるのため、スライムホイホイ初号機を一時埋め戻してしまっており、それはまだ先になってしまう。
しかし、そろそろスライムを叩きたいという欲求が溜まって仕方ないので、2号機の方で中途半端に発生していたブラウンスライムを倒す事にしたのである。
そして、投石により、3匹にある程度ダメージを与えたら、接近戦だ。
「いざ、推して参るっ!」
俺がダッシュで一気に間合いを詰めると、ブラウンスライムは順次触手をショートソード状にして振ってくる。
カンッ✖2
1振り目は、大きく横にステップして回避、2振り目と3振り目は、鋤を横にしてどちらとも受け止めた。
2匹分の触手を受けても、俺の腕力なら簡単に押し返せる。
「しゃらくせぇっ!せいっ、せいっ、せい!!」
ドゴォッ……ドゴォッ……ドゴォッ……
そして、ブラウンスライムの周囲を回るように動いて、的を絞らせないようにしながら、重打付加の突きをぶち当てていく。
ブラウンスライムの方も触手を振り下ろしてくるが、俺のスピードについてこれていない。
掠りもしないってやつだ。
ちなみに擦過耐性は、カルロス爺さんから情報を抜き出しつつ検証した結果、Fの効果で擦ったり掠ったりした衝撃を2割程軽減する事が分かっている。
しかも、これは属性攻撃に対しても適用されるという事も判明しており、じっくり育てていきたい能力であるが、その活躍はまだ先になりそうだ。
さて、ブラウンスライムに対してであるが、グルグルと周囲を回る事、早4周。
「せいっ!せいっ!せいっ!」
ドゴォッ……ドゴォッ……ドゴォッ……
「フシュー……。」
回りながら、更に1発ずつ喰らわせた所で、致命傷を与えられたようでブラウンスライムは、地面に消えていった。
「……よし、ステータスオープン……レベルアップ♪」
そこで、ステータスを確認してみると、また1つレベルがアップ。
上がったのは筋力が➕1という感じ。
これで気分良く我慢の時間帯に入れそうだね。
ここでいう我慢の時間帯というのは、秋の収穫祭に対してである。
何故、秋の収穫祭が?というと、子守りが待ってるからだ。
現在進行形の子供な俺が言うのもなんだけれど、これが結構面倒。
元々、同年代の仲良し6人組は、俺を仲間の輪に引きずり込む傾向があるのだが、
普段逃げ回っているせいかマルタちゃんの俺への当たりが極端に強い。
マルタちゃんやら、かしまし娘達から理由を付けて逃げる事が出来ないこのイベントでは、めちゃくちゃパシりにされるのが確定的である。
大人は、いつもの「もう尻に敷かれてるのか~?HAHAHAHA!」で助けてはくれない。
父アレハンドロなんかは煽る側だし、母マルタはニコニコ微笑んでるだけだろう。
「……あゝ無常だ。」
結局、パシり倒されながら、秋の夜は更けていくのであった。
ーーーーーー
主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:6歳
身長:119cm
体重:23kg
出身:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:70
状態:正常
体力:35/35
魔力:9/9
筋力:27(➕1)
反応:17
耐久:18
持久:18
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅱ
能力:棒術経験値向上D、棒威力向上D、重打E、擦過耐性F
技能:棒術Ⅱ、投擲術Ⅱ、探索術Ⅱ
加護:なし
装備:×牛引き鋤、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




