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作業ゲー的異世界転生  作者: 蜜柑太郎
第1章 ホイホイ
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第69淡 対スライムその58

夏も終盤に近付き、エビルゼリーフィッシュとよく遭遇する頃になってきた。


「……もうそんな時期か。今年はどのくらいエンカウント出来るかね~。」


風物詩を感慨深く語るおばさんのような事を呟きつつ、海岸に向かう俺。


夏の祭りも1ヶ月近く前に終わっており、あとは秋の収穫祭までイベント事はない。


ちなみに収穫祭では毎年、近所に住むマルタちゃんとダンスを踊らせて貰っているが、他にもカルベリオ村には、1歳違いくらいの同年代の子供が居る。


男の子は、アルバロ、ダビ、パブロ。


女の子は、アナ、サラ、そしてマルタちゃん。


この内、7歳組がパブロ、アナ、サラ、マルタで、6歳組がアルバロ、ダビ、俺ね。


100名規模のカルベリオ村にしては、だいぶ当たり期間というか、同年代が一気に生まれた時期のようだ。


逆に上下の年代が少し空いてるから、俺を除くこの6人は、結構つるんでいる事が多い。


物心つき始めてからは、特にその傾向が強くなっているようだ。


当然、ただでさえ、女子の方がオマセな上に1つ年上なのだから、グループの主導権は、完全に女子3人が握っている。


女子3人も、性格のキツいマルタちゃんに、ノリのいいアナ、おっとりしたサラ

という感じなので、マルタちゃんの無双状態だけどね。


それはさておき、エビルゼリーフィッシュ叩きの方はというと順調である。


「おっ、見付けた……っというか見付けられたか?まあいいや、そぉいっ!」


バンッ……バッシャーンッ……


海辺を歩いていると宙に浮いて、近付いてくるこのクラゲ。


投石だけでも倒せるが、熟練度を上げるために、重打ヘビーヒットを織り混ぜながら叩き潰していく。


海岸を一通り回って、岸部に居るやつは、倒し切ってしまったら、カルベリオ村近くに戻って、素振りやら棒術の鍛練。


そして、昼食を摂った後、午後からは、スライムホイホイ2号機に向かう。


そこにはビッグブラウンスライムが湧いているはずである。


「……やっぱビッグちゃんは、存在感あるな。」


スライムホイホイの前に到着すると目に飛び込んでくるのは、奥にドンッと構える(?)大きな茶色い塊。


鑑定結果は……


種族:ビッグブラウンスライム

状態:正常

体力:44/44

魔力:13/13

筋力:9

反応:5

耐久:15

持久:9


見た目のボリュームに違わぬ体力だ。


「問題は、どのくらいのファイアボールを撃ってくるのか……ご拝見っ!」


ヒュッ……ドスッ


投石から入って、ビッグブラウンスライムの出方を見る。


ボオゥッ


「デカいな、どんだけ~っ!」


バンッ


俺は、バスケットボールサイズの火球ファイアボールに対してバラバラにしない程度の力加減で鋤を振るう。


下手に散らしてしまうと何処に飛んでいくか分からないからね。


鋤を斜め下から当てられたファイアボールは、進路を大きく上方に変えて、飛び去っていき、100m程進んで霧散した。


「まだまだ余裕はあるけど、格段に重くなったな……。本当にバスケットボールを投げ付けられたくらいの重さがある気がする。」


手に伝わったファイアボールの重みに思わず苦笑いを浮かべる俺。


間違っても、まともにくらいたくないしろものだ。


ボオゥッ


そんな事を考えていた俺に2発目が飛んでくる。


「……弾く分には、わけないけどなっ!」


バンッ


再び火球ファイアボールの進路を上方に変え対処。


3発目は、しばらく様子を見ても、撃ってこなかったので、ここからは、投石祭でしっかり削る。


そして、最後は近付いてビッグブラウンスライムの近接戦闘力を測る運びとなる。


「ブラウンスライムで1mくらいの攻撃レンジだったから、1.5m~2mといった所かな。」


そう考察して、ビッグブラウンスライムとの距離が5mくらいまでは足早に、それ以降は継ぎ足歩行で慎重に接近。


ビュンッ……ガンッ


想定内の1.5m程の距離で振り下ろされたバスタードソード状の触手。


俺は、その軌道を見極め、しっかり鋤で受け止める。


「こっちの重みもなかなか……だけど、おりゃっ!

まだ俺にとっちゃ軽いもんだ。」


ドゴォッ


鋤を振り上げ、触手を払うと、そのままふりおろしの重打ヘビーヒットを叩き込む俺。


ヒュッ……ガンッ


ビッグブラウンスライムは、特段反応を見せずにもう1度、触手を振り下ろしてくるが、問題なく対処。


こちらも今一度、触手を払っての重打ヘビーヒット付加の突き2連発だ。


ドゴォッ……ドゴォッ


途中、反撃を警戒して、少し横移動しながらも、ど真ん中にしっかり当ててダメージを与える。

 

「フシュー……。」


重打ヘビーヒット2発を受けたビッグブラウンスライムは、一瞬身を震わせた後、地面に吸い込まれるように消えていく。


「よし……おっ!?なんだこれ?」


すると、今までビッグブラウンスライムが居た位置に薄藍色の液体が3分の1程入った透明な小瓶が残っていた。


もしやと思って鑑定単眼鏡モノクルアプライザーで見てみると……


品名:魔力回復薬マナポーション

品質:低級、減量

効果:魔力マナを3回復

備考:連続使用可


……と出た。


「お~、これまたファンタジーなアイテムがドロップしたな。このガラスっぽい小瓶付きって所がまた、おいでファンタジー。

……中身は少ないみたいだけど、これまでは、普通にそこら辺に生えてるような薬草とかだったもんな~。」


実は、イエロースライム辺りからドロップ自体は一定確率であったみたいだが、

小石とか雑草という元々そこにあった物とそう変わらないものであったため、見落としていたのだった。


で、ようやくスモールブラウンスライムクラスで体力や魔力を心なしか回復してくれる薬草という感じ。


「……これからは、もしかしたらどんどんイイモノが出てくるかも?」


一般的にいっても理論的にいっても、強い魔物モンスターの方が良質なアイテムをドロップするだろう。


ビッグブラウンスライムで、使いかけながら魔力回復薬マナポーションなら、レッドスライムやピンクスライム、いや、ダークスライムなんかになれば、結構イイモノ出しそうである。


そんな感じでアイテムに釣られて、もうちょっと早めに上位種に挑んでみようかと心揺れる俺であった。



ーーーーーー


主人公のステータス

名前:アルベルト=ガルシア

種族:人

性別:オス

年齢:6歳

身長:117cm

体重:22kg

出身:カルベリオ村

所属:なし

カルマ:-1

モラル:-2


Lv:69

状態:正常

体力:35/35

魔力:9/9

筋力:26

反応:17

耐久:18

持久:18(➕1)

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士Ⅱ

能力アビリティ:棒術経験値向上D、棒威力向上D、重打ヘビーヒットE、擦過耐性F

技能スキル:棒術Ⅱ、投擲術Ⅱ、探索術Ⅱ

加護ギフト:なし

装備:×牛引きプラウ、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)

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