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作業ゲー的異世界転生  作者: 蜜柑太郎
第1章 ホイホイ
65/466

第65淡 対スライムその55

春が来た。


何処に来た?


山に、里に、野に……今日は特にぽかぽか陽気で、うん、気持ちの良い日だ。


今は、モチベーションも上がっているしね。


理由は、職業ジョブのレベルが上がりそうなのと、ついに憧れのゴブリン狩りが出来そうだからである。


前者の方は、本日、朝イチにスモールブラウンスライムを倒してレベルアップした時に、再度その兆候を確認出来るだろう。


後者の方は、ここ2週間の探索で、だいたいどの地域か目星が付いて来た所なので、これも早ければ今日にでも遭遇出来る算段。


「景気付けにサクッとブラウンスライムを倒したら、チャッチャとゴブリンたんを探しますか~。」


準備もそこそこにスライムホイホイ2号機に向かう俺。


「そいっ!」


ヒュッ……ボスッ


スモールブラウンスライムが湧いているのを確認したら、投石で削りつつ……


ボゥッ


「ちょこざいわ!」


バンッ


スモールブラウンスライムからの反撃である火球ファイアボールを鋤を振るって粉々に粉砕。


それから接近戦に移行。


相手の初手を逸らさせて地面にショートソード状になった触手を突き立てさせる。


あとは、地面に触手が刺さって、身動きの取れなくなった所に、打ち上げと打ち下ろしの重打ヘビーヒット2連発である。


「オラァーッ!ドラァーッ!!」


バゴンッ……ドゴォンッ


「フシュー……。」


俺の重打ヘビーヒットに叩き潰されて地面に消えるスモールブラウンスライム。


「……ステータスオープン……お~っ!やっぱり前と同じで、ボーナスタイムだな。」


スモールブラウンスライムを倒したら早速、ステータスを確認。


体力と筋力の2つがまた上がっていた。


この結果からすると今年中の職業ジョブレベルのアップは固いだろう。


「これで、より気分良く探索に移れるな♪」


思わずグッと拳を握ってガッツポーズ。


それからカルベリオ村南の丘沿いに西進して、牧場の丁度、南側の地域に移動する。


以前、洞穴を発見した辺りである。


地図で表現すると……


海海海海海海海海海

海海海浜浜浜海海海

海海浜林林林浜海海

浜浜牧畑□林森浜浜

森林牧畑丘池森森森

森森森丘山丘森森森

森森丘山山山丘森森

  ↑

この辺


※1 □:カルベリオ村、牧:牧場、畑:田、浜:海岸、池:調整池、林:人の手が入ってる森

※2 1マス約1㎞四方


今年も牧場の外柵沿いにゴブリンの出没が見られており、東西南北各地域をしらみ潰しに確認して、探索範囲を狭めていた。


そして、最終的にやはりこの地域が怪しいと踏んだのである。


とは言え、発見が遅れては、例年と同様にチャンスを逃してしまう。


しかも、カルベリオ村自警団の方が人数も多く、普通に探していては人海戦術に敵わない。


そのため、どうしようかと悩んでいたのだのが去年まで。


実は、こんな事もあろうかとカルロス爺さんから、秘密道具をパクって……いや、拝借していた。


困った時の猫型ロボット……でなくてカルロス爺さんだもんね。


「よし、この方向だな……。あんまり回数出来ないから、よく考えないとね。」


それは、秘密道具ならぬ魔法道具マジックアイテム、『ハンターズマーカー』である。


見た目は、少し大きめなダーツと付属品のメダルという感じで、魔力を込めて目標となる動物等に投げると、ぶつかった瞬間、同化したように消える。


射程は個人の投擲力に依存するので、俺の場合100m程で、攻撃力はないのだが、

メダルに魔力を込める度に、マーキングした目標の居る方向とだいたいの距離が分かるというもの。


もっと早くこの手の魔法道具マジックアイテムについてカルロス爺さんに聞いておけばよかったというのが正直な心境。


ちなみに回収しない限りは使い捨てになってしまうアイテムであり、相手に当ててから効力を発揮している&回収出来る期間は、1週間程との事である。


「2日前、ゴブリンをマーキングしてから、少し泳がせておいたおかげで、概ねの行動範囲も分かったし……この時間なら、いつも1ヶ所に留まって動き出していない。」


つまり、そこがゴブリン達の拠点である可能性が高いのだ。


そんなわけで、時間も勿体ないため、1度マーキングしたゴブリンの居る方向と距離を確認した後は、警戒をしつつもズンズン進む事にする。


今居る場所から、方向は南、距離は1kmくらいといった所。


南下するにつれ、森は濃くなっていくが幸い、歩みを遮る程でもない。


そこまで労せずしてマーキングが示していた近辺まで辿り着く。


「じゃあ、今一度、確認っと……。」


メダルに魔力を込めると頭の中にマーキングしたゴブリンの存在感が伝わってくる。


感覚的には、もう50m以内だ。


「近いな……。」


鋤を持つ手にも自然と力が入る。


物音を立てないように、更に南に進むと、しばらくして不意に鼻に飛び込んでくる不快な臭い。


「……微かだけど、卵が腐ったような臭いがする。」


ゴブリンの存在を確信する俺。


静かに歩を進めると、茂みを挟んで何やら物音が聞こえる。


自分の視界の分だけ、ゆっくりと茂みを掻き分けるとそこには、樹の枝と枯れ草を組み合わせた粗末なテントが建てられていた。


構造や材料はだいぶ雑だが、アメリカ原住民が作るティピーのような三角錐の形状、それが複数である。


「住居が1、2、3……6つもある。結構な数のゴブリンが居そうだな。」


粗末な作り故に、中が微かに透けている部分があり、内部にゴブリンらしき影がチラチラ見える。


1棟当たり何匹居るのか不明だが、相当数暮らしているのは確実であった。


「さてさて、どう料理しようかね……。」


村の事を考えても、俺個人の経験値稼ぎを考えても、1度に出来るだけ多くのゴブリンを狩っておきたい。


ステータス的には、単体なら恐るるに足らずな相手であるが、1対多数となるのもあるため、よく考えて、戦いの火蓋を切る必要があるだろう。


草むらの中、ゴブリン達の集落を前にして、それをどう殲滅するか頭を巡らせ続ける俺であった。



ーーーーーー


主人公のステータス

名前:アルベルト=ガルシア

種族:人

性別:オス

年齢:6歳

身長:114cm

体重:21kg

出身:カルベリオ村

所属:なし

カルマ:-1

モラル:-2


Lv:65

状態:正常

体力:32/32(➕1)

魔力:8/8

筋力:26(➕1)

反応:16

耐久:17

持久:17

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士Ⅰ

能力アビリティ:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打ヘビーヒット

技能スキル:棒術Ⅱ、投擲術Ⅱ、探索術Ⅱ

加護ギフト:なし

装備:×牛引きプラウ、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)

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