第62淡 対スライムその52
冬が始まるよ~。
……季節に関連して特に楽しみにしてる事はないけどね。
祭の類いもないし、気候的にも時たま、上空に寒気が入り込んでか、雪が散らつく事もあるが、カルベリオ村一帯には基本、積もらない。
外に自由に出れる時間が減るだけ損な季節と言えよう。
まあ、季節を別にしたら、楽しみにしているというかワクワクしてる事はある。
オレンジスライムの上位種との対戦だ。
オレンジスライム以降、段々と魔法だけでなく、近接攻撃においても強力になってきているため、
カルロス爺さんから、かなり事前情報を得ていたのたが、調べて対策を練った分だけ、試したい気持ちが芽生えてしまっていたのである。
「刃と刃のぶつかり合い……命のやり取り……痺れるね。」
まあ、こういう事は、負けるとは微塵も思ってないから、言えるんだろうけどね。
それと言うのも、秋も終わりに近付いたある日、再びビッグワイルドボア、ドでかいイノシシと遭遇。
その際、罠を使わず倒す事に成功して、戦闘に自信を深めていたのである。
ちなみに探索の練度が上がっているせいか、今回も俺の方が先にイノシシを発見。
ステータスは……
種族:ビッグワイルドボア
状態:正常(憤怒)
体力:38/38
魔力:0/0
筋力:20
反応:12
耐久:14
持久:8
うん、やっぱり強いね。
数値的には俺の方が上回っているが、体躯的にも正面から力でねじ伏せるには、まだ不安が残る。
そのため、遠距離から複数回に渡り投石を当て、流血を強要し、
樹々を縫うように動いて距離を保つ事で、体力を奪うという戦い方を選択した。
もちろん、隙を見て、重打を打ち込む事も忘れない。
ドゴォンッ
俺の鋤による打ち上げをもろに喰らってイノシシの身体が一瞬浮いた。
「フゴーッ!!」
イノシシは、よろめくものの気合いの咆哮で耐え切る。
ただ、最初の方で、この重い一撃入れたおかげで、イノシシが激昂した状態でも、鋤を構えて見せるだけで本能的に及び腰になるため、効果的な牽制が可能となっていた。
そうこうしている内に、相当量の血液を失ったイノシシの動きが鈍り出す。
イノシシの方も、次第に冷静になり、及び腰から更に逃げ腰になっている様子。
「今だっ、地獄の三連打ちっ!」
そこで、逃げられては元も子もないので重打3発で勝負に出る。
ドゴォン……ドゴォン……ドゴォン
「ピギィー……。」
足が止まった所を畳み掛けられたイノシシは、為す術なく重打による滅多打ちを喰らい轟沈。
ドサッと倒れたイノシシの顔面は、鋤に打ち据えられて完全に変形していた。
「経験値&当分のオヤツ、ゲットだぜっ!」
そして、喜びのガッツポーズをとった俺は、その後、自信を深めるも共に、猪肉の燻製作りに勤しんだというわけだ。
で、スライムの上位種化に伴うステータス上昇率からすれば、イノシシを超える事はないため、
油断さえしなければ、次のスライムにも順当に勝てる。
スライムホイホイに着いて、すぐさま茶色い半透明のスライムを鑑定した結果も……
種族:スモールブラウンスライム
状態:正常
体力:32/32
魔力:11/11
筋力:8
反応:5
耐久:14
持久:9
……こんな感じだったしね。
「あら、いけそうやん。」
思わず呟いちゃったよ。
うん……俺、今日これから、スモールブラウンスライムと戦うんだ~。
……えっ、変なフラグとかじゃないよ?
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:5歳
身長:112cm
体重:20kg
出身:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:62
状態:正常
体力:30/30
魔力:8/8
筋力:23
反応:16
耐久:17
持久:17(➕1)
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅰ
能力:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打E
技能:棒術Ⅱ、投擲術Ⅱ、探索術Ⅱ
加護:なし
装備:×牛引き鋤、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




