第54淡 対クラブその1
「よいしょ~っ!どっこいしょ~っ!まだまだぁ~っ!!」
バコーンッ……バコーンッ……バコーンッ……
夏も終盤に差し掛かった頃、青々とした空の下、断続的に響く若干甲高い打撃音。
俺がプロゴルファーばりのアッパースイングでエビルクラブ達をかっ飛ばしている音である。
エビルクラブは、硬い甲羅に覆われた30~40㎝程の巨大蟹であり、横移動しか出来ないという特徴を持っている。
横移動はそれなりの速度を出すが、子供が歩く程度であり、捕捉は容易い。
ステータス的には……
種族:エビルクラブ
状態:正常
体力:20/20
魔力:0/0
筋力:5
反応:5
耐久:20
持久:3
こんな感じ。
そして、発見して投石をすると、
1匹だけの時は、左右交互に斜め後方へと逃げていき、
2匹以上の時は、逆にジグザグに向かってくるという行動パターンを持っている。
そのため、複数のエビルクラブに対しては、その横移動に合わせて強振、ぶっ飛ばして距離を取る→距離を取ったら投石というのを繰り返す、
さながら固定画面シューティングのような戦い方になる。
で、最もかっ飛ばせるのが、ゴルフスイングようなフォームで鋤を強振する要領なのだが、まだまだ1発では倒せないので、既に3回この攻撃を繰り返していた。
「そろそろ動きも鈍ってきてるし、とどめかな。」
先程のスイングで20m程先にぶっ飛ばしたエビルクラブ3匹の動きは、明らかに遅くなっていた。
おまけにぶっ飛ばした衝撃で、ハサミも入れて10本ある足のうち、何本か取れちゃってるしね。
「ていっ!ていっ!ていっ!」
ドカッ……ドカッ……ドカッ……
よって、投石で狙い放題といった感じ。
ただ、気を付けないといけないのは、残り2匹になった所で、出来るだけ同時に倒す事。
1匹だけになった時点で逃げの行動パターンに切り替わってしまうのである。
まあ、こうやってエビルクラブにバンバン当てているおかげで、つい先日、投擲術の技能がⅠ→Ⅱに上がっていたりと、練度が上がっていて手加減もお手のものたけどね。
「チャーシューメンっ!パーコーメンっ!最後にサンマーメンっ!」
バッコーンッ……バッコーンッ……バッコーンッ……
「ピギャッ……。」×3
ドサッ×3
夢への放物線を描いたエビルクラブ達は、その命を散らした。
「うんうん、レベルも上がって……あとは、お楽しみの蟹♪蟹パラダイス~♪」
俺は感傷に浸る事もなく、おやつタイムに心躍らせる。
流石に生で食べる気にはならないので、生活魔法で焚き火をして、炙り焼きで戴く事に。
「………………。」
蟹って食べてると何か無口になっちゃうよね?
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:4歳
身長:106cm
体重:17kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:54
状態:正常
体力:28/28
魔力:7/7
筋力:22
反応:15
耐久:16(➕1)
持久:15
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅰ
能力:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅱ、探索術Ⅰ
加護:なし
装備:×牛引き鋤、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




