第51淡 対スライムその45
「はむはむ……うん、モモ肉も良い味出てるじゃん。下処理に時間掛け過ぎちゃってたから心配してたけど、杞憂に終わったな。」
今日も今日とて、調整池のスライムホイホイに向かう俺がいる。
その俺であるが、燻製肉を片手にクチャクチャ食べながら歩いていた。
何の肉かというと先日倒したイノシシの肉である。
先日と言っても既に1ヶ月ちょっと前になるが、あの後、イノシシについては、すぐに樹の蔓で縛って、吊るし上げ、血抜きをした。
そして、その間に洞穴で焚き火の準備。
良い感じに種火が出来た所で、血抜も終わったので、イノシシを解体して部位ごと洞穴に持っていく。
下処理は昼食後になってしまったが、あとはじっくり1ヶ月に渡って燻し、所謂、冷薫法で猪肉の燻製が完成させたのである。
塩等は、家から持ってくるとバレるので、カルロス爺さんの所から拝借したけど、酒の肴に結構な量の燻製を渡したら喜んでいたし、
それでプラスマイナス0という事で勘弁して貰おう。
まあ、始終酔っ払ってるあの様子なら、気付いてもいないだろうが……。
いずれにせよ、ビッグワイルドボアとの戦闘は、経験値稼ぎ的にも、成長著しい俺のおやつ確保的にも多大な成果があったと言えよう。
そんなこんなで、スライムホイホイに着いたら、スモールオレンジスライムとの戦闘開始だ。
ボボボボボッ
「オラオラオラっ」
ボボボボボッ
「無駄無駄無駄っ」
随所で投石を混じえながら、スモールオレンジスライムの炎柱を回避する俺。
「なんとーっ!」
そこから、間髪いれずに突撃して、弱突きからの4連コンボである。
スモールオレンジスライムの触手による直突きを避けながら攻撃するのも慣れたもの。
ドスッ……バシッ……バンッ……ドゴンッ
「フシュー……。」
ほらね、これで決まりだ。
「ステータスは……お~、レベルアップしてるね。先週、技能も上がってたし、流れが来てるな。」
森を探索している内に技能のうち、探索術が0→Ⅰという事で一人前の熟練度に上がっていた。
レベルの方も、ビッグワイルドボアで稼いだ分があるので、間隔としては予想より早く上がった。
「また、ああいうのとエンカウント出来ないかな~。……結局、今年もゴブリンとは戦えなかったし……。」
そう、今年もこちらがゴブリン達と遭遇する前に、父アレハンドロ率いるカルベリオ村自警団が動いて、撃退してしまったのである。
俺1人に対して、向こうは期間限定とはいえ10人掛かりで索敵しているのだから致し方ないのだが、今回色々罠まで用意していたのに……という感じで、手間隙かけた分だけガッカリしていた。
今はただ秋口辺りに、またコボルトと遭遇出来る事を願うのみだ。
とりあえず、ゴブリンとの戦闘は、残念無念また来年……。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:4歳
身長:103cm
体重:17kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:51
状態:正常
体力:27/27
魔力:7/7
筋力:21(➕1)
反応:15
耐久:15
持久:15
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅰ
能力:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ、探索術Ⅰ
加護:なし
装備:×牛引き鋤、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




