第48淡 対スライムその43
ボボボボボッ
「前回り受け身っ!」
素早く身を躍らせてスモールオレンジスライムの放った炎柱を回避する俺。
柔道は、中高生の頃に授業でやった程度だが、自衛隊の格闘でこういうのはそれなりにやっていた動作だ。
自衛隊の場合は、銃を持ちながらやったりもするから、鋤を装備している俺にはおあつらえ向きである。
元々、コンボの最初を飾る突きも、銃剣道っていう自衛隊で盛んな体育課目で、かじってたものだしね。
そして、回転して火柱を避けた後は、すぐに態勢を立て直して次に備える。
「ぜあっ!」
バスッ
更に隙さえあれば、距離があっても投石。
ボボボボボッ
「もう一丁、前回り受け身っと!」
2回の炎柱で、スモールオレンジスライムが魔力を使い果たす。
そうなったら、仕上げの4連コンボ、しかも最後の一撃は重打で一気に片を付けるわけだ。
ドスッ……バシッ……バンッ……ドゴンッ
「フシュー……。」
俺の動きに翻弄されたまま消え去るスモールオレンジスライム。
「フッ……あんたじゃ、燃えないな。」
俺は、ビュッと鋤を振るって、切っ先に付いたスモールオレンジスライムの残滴を払うとその場を颯爽と立ち去る。
誰かが見ているわけじゃないけど、結構これ、やってて気持ちいいんだよね。
レベルも上がったし、より気分が良い。
さて、その足で俺が向かったのは、倉庫代わりに使っている調整池近くにある木の洞である。
「……これでようやくフル装備って感じかな。」
そこで現在の装備に加え、新たな防具を追加するべく製作作業をする。
前々から作ろう作ろうと考えていた樹皮を短冊上に繋ぎ合わせた背甲と肩当てが、1ヶ月半近くかけて、もう少しで完成という所までこぎ着けていたのだ。
あまり長時間の外出が出来ないため、本当にコツコツという感じで作ってきた。
これもあと1ヶ月少しとなった春先の対ゴブリンを見据えた準備の一環であるが、スライム相手でも、今相手をしているスモールオレンジスライムの触手による突きであれば、ほぼノーダメージで防げるので、
仮にゴブリンにエンカウント出来なかったとしても、有効な装備の1つであると言えよう。
「よいしょっと……サイズ感はピッタリだから、穴になってる所だけ短冊で埋めれば大丈夫かな。」
単体で着てみるのはもちろん、全ての装備を着込んだ上でも試してみて、ミリミリとした調整をする。
こうして、2日後には、背甲と肩当ても完成して、俺の装備も、現段階で揃えられる最高点に達するのであった。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:102cm
体重:16kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:48
状態:正常
体力:27/27
魔力:6/6
筋力:20
反応:15(➕1)
耐久:15
持久:14
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅰ
能力:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ、探索術0
加護:なし
装備:×牛引き鋤、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同背甲、同肩当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




