第47淡 対スライムその42
「お~、湧いてる湧いてる。」
そっとスライムホイホイを覗き込んでいる俺が確認してるのは、スモールオレンジスライム。
前述の言葉通り、スライムホイホイの中では、スモールオレンジスライムがぷよぷよとしている。
俺は、少し身体のサイズより大きい麻の服を煩わしそうにたくし上げながらも、石を握り締めていた。
季節は、スモールオレンジスライムと初めてエンカウントしてから2ヶ月半、
既に冬を迎え、気温も10度くらいまで下がっていた。
当然、俺の服装も、これまでの服の上に、長袖の麻服と足元に長布を巻くタイプの靴下が追加されている。
これに加えて外に出る際は、麻のローブを羽織っている感じだ。
レベルの方は、1ヶ月ちょっと前にLv46になって、次の戦闘で、更にもう1つ上がる見積りである。
えっ、レベルアップのペース的に上がってるって?
その通り。
何故なら、グリーンスライムの発生頻度が上がったからである。
正確には、スモールオレンジスライムを倒して以降、スライムホイホイ自体にグリーンスライムが湧くようになったからであるが、
これにより現在は、2週間に1回は、スモールオレンジスライムと交戦出来る計算になっている。
薪拾いくらいでしか家を離れられない俺の身からすれば、怪しまれないためには、このくらいのペースが調度良いと言えよう。
そして、春先になれば、また集団保育所行きになるので、日中は狩り放題という流れである。
コボルトには、ガッカリさせられたが、春先になってくると、またゴブリンなんかが出てくるらしいので、
その時までしっかりと実力を付けていく予定だ。
「やれんのか!おいっ!」
何はともあれ、先ずは目の前の相手を倒そう。
俺が投擲した拳大の石がスモールオレンジスライムに見事命中する。
バスッ
すると何秒かの間があった後、俺の足元だった場所から火柱が上がる。
ボボボボボッ
足元だったという事で、俺はそのタイミングで反復横跳びの要領で、居場所をスライドさせて、もう同じ場所には居ないけどね。
スモールオレンジスライムの放った魔法である炎柱は、7~8秒間燃え上がった後、効果を失って消え去る。
これを2発避けきれば、あとは接近戦である。
「せいっ!」
ドスッ
俺のダッシュからの弱突きとスモールオレンジスライムの触手による突きが交差する。
身体を捉えたのは俺の方の突きのみ。
突きが交差する瞬間、鋤の柄の部分を触手の横から当てて、相手の突きの軌道を変えたためである。
「ボボーボボって五月蝿いんだよっ!」
バシッ……バンッ……ドゴンッ
あとは、振り下ろし、横振りからの再び振り下ろしの重打。
「フシュー……。」
きっちりスモールオレンジスライムを倒した。
うん、レベルも上がってる。
寒さがこたえる季節であるが……拝啓お袋様、僕の経験値稼ぎは、順調です。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:101cm
体重:16kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:47
状態:正常
体力:27/27(➕1)
魔力:6/6
筋力:20
反応:14
耐久:15(➕1)
持久:14
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅰ
能力:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ、探索術0
加護:なし
装備:×牛引き鋤、麻の服、装備:×牛引き鋤、麻の服、麻の長袖服、麻の靴下、木皮の靴、麻のローブ(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




