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作業ゲー的異世界転生  作者: 蜜柑太郎
第1章 ホイホイ
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第46淡 対スライムその41

「オギャーオギャー……。」


朝からガルシア家に赤子の泣き声が響く。


もちろん、その泣き声の主は、妹のメイシャである。


2ヶ月程前に玉のような赤ちゃん、ガルシア家の長女メイシャが産まれた。


予想通り、まだ生え揃ってないが金髪に、大きく明るい碧色の眼。

眼の色はなんでもアレハンドロの親、つまり俺にとっての祖母に似てるらしい。


俺の産まれる前に若くして亡くなったらしいが、結構な美人だったとの事。


とりあえず、メイシャについては赤ちゃんの内から整った顔立ちであり、将来が楽しみである。


既に愛くるしい仕草に家族は皆、メロメロだけどね。


そして、出産後の状態は、母子共に健康。


母マルタが2人目という事もあってか、難産することなく、陣痛らしきものが来てから小一時間程で産まれたので、

家族や助産婦として来てくれた村長の奥さんも含め、そこまで疲れる事もなくという感じ。


俺も、もうそろそろという時期はやきもきしていたが、いざとなると呆気ないものである。


その村長の奥さんが言っていた通り、カルベリオ村の収穫祭が終わった直後に出産があったわけだが、祭自体はどうだったかというと、結論から言って大盛り上がりであった。


周りに囃し立てられながら、ご近所さんのマルタちゃんと踊るのにも、表面上は3歳児らしく恥じらいつつも大人の対応が出来たと思う。


とりあえず、マルタちゃんちのソーセージは格別だったので、仲良くしておいて損はないという事が分かった。


肉体的には、まだまだ色気より食い気なんですよ?


そんなこんなで、妹が産まれた事により、まだ本格的な冬を前にして、家には常に母親が居る状態になっている。


俺も集団保育所に預けられる事なく、基本、家に缶詰め。


これは誤算であったが、1週間前からなんとか昼イチに小一時間程、暖炉にくべる薪拾いを仰せつかる事に成功している。


まあ、缶詰めといっても、家のすぐ前に居る分なら大丈夫そうなので、ヤンチャしてる体裁で、棒術の鍛練等はやってるけどね。


「せいー!やあー!とおー!」


見よ、声を幼児らしく舌足らずでやる演技力!


なかなか様になってるじゃないかとマルタちゃんの父親モレーノ=エルナンデスも、仕事への行き掛けに微笑ましく見てくれてる。


こちとら、そこら辺の農家よりレベルが上なんだけど、好意からだし、悪い気はしない。


さて、太陽が真上に昇り、昼食を食べたら、薪集めという事で外出だ。


一応、カルベリオ村の東側の林縁でその作業をしている事になっているが、そのまま調整池のスライムホイホイに向かう。


「メイシャが産まれてから、2ヶ月近く行けてなかったけど……先週行ったらビッグイエロースライムが6匹になってたからな~。」


そう、先週はビッグイエロースライム祭りだったのだ。


流石に6発一気に火球ファイアボールが飛んできた時は、恥も外聞もなく、逃げ帰ったね。 


で、あまりの火球ファイアボール弾幕に、これを捌ききれない事を悟った俺は、敢えてビッグイエロースライムを7匹揃えて上位種になって貰う事にしたのである。


そうすれば、強化されるとはいえ、相手は1匹で済む。


「さてさて、次のスライムは……。」


小さく呟きながらも注意深くスライムホイホイの中を伺う俺。


すると中には、半透明でオレンジ色をした小スライムが居た。


鑑定をしてみると……


種族:スモールオレンジスライム

状態:正常

体力:26/26

魔力:8/8 

筋力:7

反応:4

耐久:13

持久:8


今まで散々タコってきたイエロースライムのステータスが……


種族:イエロースライム

状態:正常

体力:26/26

魔力:6/6

筋力:6

反応:3

耐久:12

持久:8


こんな感じだから、やっぱり少しずつ全てのステータスが上がっている。


あとは、使ってくる攻撃手段が何かだ。


俺は、それを確かめるべく、いつでもすぐ樹の陰に入れる位置に立って、投石してみる。


「高速スライダーだっ!」


……普通の直球が、スモールオレンジスライムに飛んでいく。


バスッ


投げられた石は、スモールオレンジスライムの身体の一部を崩した。


「……ダメージは、これまで通り与えられそうだな。」


その時、足元に違和感というか若干の風が起こったような気がして咄嗟に飛び退く俺。


次の瞬間、俺が元居た場所から火柱が上がる。


ボボボボッ


渦巻きながら俺の背丈程燃え上がる様子からすると炎柱フレイムピラーという感じ。


「うひょ~っ!!」


火球ファイアボールに引き続き、ファンタジーらしい魔法に思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。


そこで再び足元に感じる違和感。


飛び退いたすぐ後で、態勢が取れていなかった事もあって横っ飛びして、何とか移動する。


ボボボボッ


間一髪で避けきる事が出来たが、俺は完全に横になっている状態だ。


次が来たら、転がるしかない。


しかし、次の炎柱フレイムピラーが放たれる事はなかった。


いつもの魔力切れってやつである。


鑑定単眼鏡モノクルアプライザーで確認しても、スモールオレンジスライムの魔力値は0になっており、間違いない。


「ふぇ~、危ない危ない……。」


俺は、身体に付いた土埃を払いながら立ち上がり、鋤を構え直す。


再びスモールオレンジスライムと正面から対峙だ。


「お次は、どう出るっ!」


どう出ると聞いたが、先に俺の方から石を投擲する。


バシッ


若干の放物線を描いてぶつかると思われた石は、スモールオレンジスライムからビョーンと伸びた触手によって弾かれる


「ほ~、そういう事も出来るようになるのか。……じゃあ、これはどうだ!」


矢継ぎ早に投石を加える俺。


バシッ……バシッ……バスッ……


投げられた石全部を弾く事は、出来ないようで、3~4発の内1発は被弾していくスモールオレンジスライム。


10発程当てた所で、だいぶ削れたと判断した俺は、鋤を改めて強く握り締め、スモールオレンジスライムに向かって駆け出す。


「せいっ!」


ドスッ


スモールオレンジスライムから繰り出される触手ストレートを身体をひねってかわしながら、弱突きだ。


「やぁっ!」


そして、弱の振り下ろし、中打ち上げ、強振り下ろしといういつものコンボ。


相手に触手ストレートをさせる暇を与えないよう最速で打ち込む。


バスッ……バンッ……スガンッ


「フシュー……。」


空気が抜けるような音ともに地面に吸い込まれ消えるスモールオレンジスライム。


一時、負傷の危険性もあったが、倒せたようである。


「あの炎柱フレイムピラーは、1歩間違えば火だるまコースだわ……。」


やはり上位種、強化されたのはステータスだけではない。


それに、これまでの傾向からするとオレンジ系のスライムは、上位種になればなる程、この炎柱フレイムピラーの効果が段々と大きくなっていくだろう。


炎柱フレイムピラーへの対策法を確率しなければ、先には進めない。


スモールオレンジスライムとの戦いを通じて、そう思う俺であった。



ーーーーーー


主人公のステータス

名前:アルベルト=ガルシア

種族:人

性別:オス

年齢:3歳

身長:100cm

体重:16kg

出身地:カルベリオ村

所属:なし

カルマ:-1

モラル:-2


Lv:45

状態:正常

体力:26/26

魔力:6/6

筋力:20(➕1)

反応:14

耐久:14

持久:14

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士Ⅰ

能力アビリティ:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打ヘビーヒット

技能スキル:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ、探索術0

加護ギフト:なし

装備:×牛引きプラウ、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)

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