第43淡 対スライムその39
「結構、寒くなってきたな……。」
今日も朝イチでスライムホイホイに行った後、カルベリオ村南西側の森に向かっている俺。
もうそろそろ日陰に入ると半袖では少し肌寒い。
先週、レベルの方は、Lv43になったが、それまでに1ヶ月ちょっと経過しており、季節は既に秋口になっていた。
スモールイエロースライムやイエロースライムを相手にしているため、レベルアップのペースは鈍化の一途を辿っているが、それもまた仕方ないと考えている。
やはり経験値を稼ぐにしてもモチベーションを維持しなければならない。
モチベーションを維持するには、面白みを感じられるのが1番って事で、この1ヶ月ちょっとは、1対多数戦にハマっていたしね。
最大スモールイエロースライム6匹と戦闘。
その時も基本は、横移動と打ち払いで、火球を処置してからの投石や打ち込みだ。
「凪ぎ払えっ!」
凪ぎ払えって言っても、やるのは俺だけど、近接攻撃においては横一文字に鋤を振るのがスモールイエロースライムの集団には、効果的であった。
まとめてダメージが与えられるし、ぶっ飛ばし効果で、相手の動きもある程度、こちらの思い描いたようにコントロールできる。
しばらくの間、この横一文字振りを多用してきた。
しかし、最近は、流石に俺の中のブームも去って、イエロースライムとの一騎討ち中心になってきている今日この頃。
加えて、探索というか、日課的にカルベリオ村東西の森を見回ってたりもして、割と安定した状態で充実してる。
まあ、森の中では、未だ魔物とエンカウントした事ないけどね。
「……今日も服務中、異状なしって感じだな~。」
俺は、南西側の森に辿り着くと、気配を察しながら歩き回る。
コンパスもないので、最初は迷いながらだったが、今はだいぶ、自分がどの辺りに居るのか掴めるようになってきている。
極端に太い樹だったり、平たい岩だったり、森の中にも少しずつ目印になるような、地点が散在しているのだ。
ただ、詳細に把握をしているわけでもない。
新しい発見もなきにしもあらず……。
……うん、今、発見したわ。
斜面にぽっかり空いた洞穴である。
「こんな所に洞穴なんてあったんだ。」
場所としては……
※1 □:カルベリオ村、牧:牧場、畑:田、浜:海岸、池:調整池、林:人の手が入ってる森、?は自作地図上では空白。
※2 1マス約1㎞四方
海海海海海海海海海
海海海浜浜浜海海海
海海浜林林林浜海海
浜浜牧畑□林森浜浜
森林牧畑丘池森森森
森森森丘山丘森森森
森森丘山山山丘森森
↑
この丘の西寄り。
丘も途中までは、木々が繁っているから、森と丘の境はそこまで明確じゃないけどね。
いずれにせよ、俺の見回り範囲の南端ギリギリの所に洞穴を発見したのである。
入り口は、1m程であるが、屈み込んで覗いた限りは、結構奥が深そうだ。
もちろん、何が飛び出して来ても、対応出来るように安全距離は取った上なので、多少の見難さはあるが。
「う~ん、断定は出来ないけど、何かの巣っぽいな。爪で掘ったような後があるし…………こりゃ、もしかするともしかするぞ。」
俺の中で、ゴブリンは、洞穴を巣として財宝や拐ってきた女子供を運び込んでる
イメージである。
まだ、熊とかそういった獣の類いの巣というのも否定出来ないが、森探索始まって以来の発見に、
いやが応でも期待が高まってくる。
「……とは言え、何も情報がない中で、あそこに突撃していくのは得策じゃないな……。」
そこで、しばし周りを見回した俺は、手頃な草むらを見付けてそこに身を潜める。
腰を据えて、この洞穴を監視する事する俺であった。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:99cm
体重:16kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:43
状態:正常
体力:25/25
魔力:6/6
筋力:19
反応:14
耐久:14
持久:14
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅰ
能力:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ、探索術0
加護:なし
装備:×牛引き鋤、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




