第40淡 対スライムその36
ゴブリンに集落を発見、そこには囚われの美少女が!!
厳しい戦いの末、見事魔物を討ち果たす。
で、その美少女に見初められる俺。
……そんな展開を想像していた時期もありました、南無三。
実際はというと、カルベリオ村東側の森を探索し始めて約2週間。
その間、魔物との遭遇は1度もなし。
もちろん、その間に調整池のスライムホイホイでイエロースライム叩きはしてたので、レベルも1つ上がっている。
また、周囲に目配り&気配りしながら歩いていたせいか、探索術というのが技能に加わったりもしていた。
しかし、肝心の探索で期待していた魔物との遭遇やらがなかったので、そこまでモチベーションも上がっていない状態である。
「……唯一の癒しはこいつだな。」
俺は、呟きながら、手元の羊毛紙に目を落とす。
自作地図である。
※1 □:カルベリオ村、牧:牧場、畑:田、浜:海岸、池:調整池、林:人の手が入ってる森、?は自作地図上では空白。
※2 1マス約1㎞四方
海海海海海海海海海
海海海浜浜浜海海海
海海浜林林林浜海海
浜浜牧畑□林森浜浜
森林牧畑丘池森森森
??森丘山丘森森森
???山山山丘森森
……村を中心として半径5~6㎞の範囲は、南西側を除いて、少なくとも視認した。
村の南東の森については、実際に中を歩き回って地形や植生を確認までしている。
この2週間で行けた地域の土地勘がかなり付いてきたのも収穫かな。
「来月辺りには、南西の森にでも行ってみるかな。」
今週の間は、引き続き同じ地域を詳細に探索していくつもりだが、その後は、逐次未踏の地を探索していく予定だ。
カルベリオ村南西側の森一帯、南側の丘陵から引き続く山並み一帯、更に言えばその外の地域もいずれは…と考えている。
まあ、それぞれ地域によってはもっと装備を充実させないといけないのかもだけど。
「さてと……今日もイエロースライムは湧いてるかな?」
朝イチの現在、スライムホイホイを覗き込むと、中にはイエロースライムと数匹のグリーンスライム。
「前から疑問に思ってたけど、魔物同士の戦いってどんな感じなんだろ?
スライム同士だと近縁種だからか、やり合わないし……機会があれば検証しときたいんだよな~。」
カルロス爺さんによれば、高度な知能を有する魔物であれば、国取り合戦的に他の魔物と戦う事があるらしいが、
それ以外でも、魔物同士、種族間等の生存競争は普通にあるとの事である。
某ゲームみたいに、倒したら光の粒子になって消えるとかではないので、
魔物は、倒されたら、当然、死体が残る。
そして、その死体は、別の魔物の食事になっている事からも
特殊な生態をしているとはいえ、地球における動植物と何ら変わりない生存競争をしているのかもしれない。
ボゥゥッ……ボゥゥッ……
さて、見付けたイエロースライムの方であるが、いつも通り身を晒すと、こちらの存在に気付くと火球2発を放ってくる。
「せいっ!せいっ!」
俺は、ボクシングのパーリングという相手のパンチを自分の拳で打ち落とす技のイメージで、
今回は火球を斜めに受けて逸らすのではなく、軽くはたいて逸らしてみる。
自分の好きな態勢で防御出来るから、次の攻撃に繋げるのに、これはこれで使える防御法かも。
「よっしゃ……疾・風・迅・雷!」
2発の火球を捌いたら、イエロースライムに俺のオリジナルコンボを叩き込んで、Win!
あ、疾風迅雷とか、言ってるだけだから、そんな技はないよ?
ただ、連続で攻撃するのにも慣れて、イエロースライム相手でもサクッと倒せるようになってきているのは確かだ。
経験値稼ぎの相手にしても、そろそろワンランク上の敵を相手にする頃かもしれない。
「南西の森を探索するのとビッグイエロースライムとの戦い……来週からは、期待大だな~。」
ビッグイエロースライムは、今の湧き具合からすると、計算上、約2週間は発生するのにかかる。
それまでの間は、カルベリオ村南西側の森の探索と従来通りの鍛練に時間を費やす事になるだろう。
父アレハンドロの話を聞く限りでは、牧場の羊や牛を狙うゴブリンが度々目撃されてるらしいので、
そういう兆候からしても、来週から探索する地域には、何かあるんじゃないかと踏んでいる。
……何かありそうで何もないなんて事にならなければいいけどね~……。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:98cm
体重:15kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:40
状態:正常
体力:25/25
魔力:5/5
筋力:19
反応:13
耐久:14(➕1)
持久:13
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅰ
能力:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ、探索術0
加護:なし
装備:×牛引き鋤、麻の服、木皮の靴、(戦闘時のみ木製短冊胸当て、同籠手、同肘当て、同膝当て、同すね当て)




