第38淡 対スライムその34
「重打っ!」
ドゴンッ
「フシュー……。」
重打により核が完全に潰れて地面に吸い込まれるように消えるイエロースライム。
「……ついに成ったな。」
何が出来たかというと単にコンボの最後に重打を組み込めただけなんだけとね。
重打自体は、攻撃動作の途中から使って急に重い一撃を喰らわすとかトリッキーな使い方が出来たりと結構応用が利く能力である。
しかし、必殺技じゃないが、こういうのは、決め技として使うのが王道という俺の好みから、組み合わせを色々試していたわけだ。
「いずれは、こう溜めてからの……何とか波的な遠距離技も欲しいな。」
あとは、溜め技系なら打ち上げスイングの対空技とかも欲しいよね。
遠距離技で削った後、焦れて跳び込んで来た所を対空技で打ち落とす的な?
まあ、実戦は、ゲームみたいに上手くはいかないんだろうげどさ。
いずれにせよ、コンボに重打を組み込むようになって概ね10日、納得のいくものがようやく1つ出来た。
「一応、ステータスは……っと、よし、レベルが1つ上がってる。
魔力がもう少し上がると重打をこなせる数も多くなるだけどな~。」
前回のレベルアップで魔力が5になった。
睡眠時間を考えると実際する数は少なくなるのだが、
これにより、1日MAX24回重打を使用できる事になる。
また、1時間で約2割魔力が回復するので、魔力の総量が増えれば、1日に使用できる重打の回数も飛躍的に伸びるだろう。
……俺が選んだのは、完全に前衛職な戦士だから総量は、あんまり増えないだろうけどね……。
かといって、何かチート的な才能があるわけでもないので、職業変更したりして、
例えば、魔法剣士みたいなのを目指しても中途半端になってしまう可能性があるもんな~。
とりあえず、努力でなんとかなるⅢレベルまでは、戦士に専念して鍛えるつもりだ。
「あとは、計画していた村の東側の森探索だな。
前進予定としては……」
呟きながら、樹の洞の中から、麻袋を取り出し、中身の羊皮紙に目を移す俺。
一般の家庭には、地図はおろか羊皮紙さえもほとんどない状態なので、自作地図を作り始めていたのである。
地図も行商のおっさんが持っていたのを見せて貰ったけど、町や村を表す点と、道を表す線、海岸線等がざっくり描かれた粗末なものだったしね。
ちなみに羊皮紙は、カルロス爺さんの所から拝借した。
今、描かれてる部分は、カルベリオ村の俺が実際に行った事がある、又は、直接視認出来た地域なのだが、
聞いた話の上のカルベリオ村一帯が……
※1 □:カルベリオ村、牧:牧場、畑:田、浜:海岸、池:調整池、林:人の手が入ってる森
※2 1マス約1㎞四方
海海海海海海海海海
海海海浜浜浜海海海
海海浜林林林浜海海
浜浜牧畑□林森浜浜
森林牧畑丘池森森森
森森森丘山丘森森森
森森丘山山山丘森森
である所、自作地図では……
※ ?は自作地図上では空白。
海海海海?????
海海海浜?????
海海浜林林林???
浜浜牧畑□林森??
森森牧畑丘池森??
??森丘山丘???
???山山山???
といった感じである。
「ゴブリンを見たのは、調整池の東側だけど……とりあえずは、池の北側の林を北に向かって探索してみるかな。」
先ずは、調整池から北方向の海を目指して行くプランだ。
そこから、南方向に折り返して東の森をローリング作戦で洗っていくつもりである。
はてさて、鬼が出るか蛇か出るか……ワクワクドキドキが尽きない俺であった。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:97cm
体重:15kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:38
状態:正常
体力:24/24
魔力:5/5
筋力:19(➕1)
反応:13
耐久:13
持久:13
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士Ⅰ
能力:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ
加護:なし
装備:×牛引き鋤、麻の服、木皮の靴




