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作業ゲー的異世界転生  作者: 蜜柑太郎
第1章 ホイホイ
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第33淡 対スライムその29

「まるで夢の篝火だな……。」


泣く泣くスライムホイホイ1号機を埋め戻してから4日後、俺は、スライムホイホイ2号機の傍から調整池の対岸に見える動物、適当な作りのため馬か牛か分からないがその辺の四つ足動物を象った篝火台を眺めていた。


火祭りに使われるものである。


もちろん、まだ火祭りには2日程時間があり、台座の方も完成まではもう少しという状態だった。


うん、夢の云々とか、ただ何となくそういうの呟きたかっただけだよ?

そういう発作がたまにあるんだよね。


ただ、夢のイベントという点では、あながち間違いというわけではない。


「……まあ、なんだかんだ言って、楽しみは楽しみだよな~。

ご馳走も沢山出るし♪」


村の一大イベントであるため、酒だけでなく、各種肉や魚料理、フルーツ、お菓子なんかも振る舞われるのだ。


肉はともかくとして、フルーツやお菓子なんかはなかなか食べられない。


甘いものと言えば、せいぜいラズベリーやらが関の山である。


それが、この日に合わせて行商がやってくるので、メロンや桃、蜂蜜入りのクッキーなんかが出てくる。


「見た目は潰れたようなボコボコした形してるけど、あの桃、美味しいんだよな~。」


俺のお気に入りは、メロンパンのような形をした桃。


1年前の味の記憶を辿れば、瑞々しくて前世で食べたものと勝るとも劣らない美味しさだった。


「……おっ、そろそろ湧く頃か……。」


そんな事を夢想している俺のすぐ横でスモールイエロースライムが発生する。


「待ってたぜ!……さよならっ!!」


ドガンッ


俺は、透かさず愛用の鋤を振り下ろして、出会い頭の一撃を喰らわす。


大きな音が出るが、対岸の人間にはほとんど聞こえないという諸元は取れている。


すぐに鋤を振り上げて、2発目を準備。


1発で3分の1くらい身を吹き飛ばされたスモールイエロースライムは、身体を大きく震わせるが、何かしてくるわけでもないので、構わず2発目を振り下ろす。


ドガンッ


2発目にして、残った身体を更に半分にまで削られたスモールイエロースライムの命は、風前の灯火といった感じ。


ここに3発目の振り下ろしでとどめだ。


ドガンッ


「フシュー……。」


相手を何もさせないまま、倒せたことに満足顔で大きく頷く俺。


「ふぅ~……一気に畳み掛ければ、火球ファイアボールを撃たれる前にやれちゃうようになったな。自分でも成長を感じるね~。」


発生したばかりのスライムには硬直時間がある事を差し引いても、今まで以上にスムーズに倒せるようになったのは確かである。


鋤の扱いにも慣れて、より一層重量を上手く乗せられるようになったしね。


油断は禁物だけど、良い傾向だ。


「ステータスオープンっと。」


今回のレベルアップで、Lv33。


ステータスは、反応の数値が1上がっていた。


「よくよく考えてみると、2~3ヶ月前からすると、咄嗟の動作とか早くなったよな~。」


俺は、2歳の頃、牧場に連れられていった際、牧羊犬のアナに涎でデロデロにされたのを思い出す。


人懐っこいの良いのだが、初対面の俺に飛び込んで来たのである。


急接近には何とか気付いたものの、ろくな反応も出来ず、あれよあれよという間に押し倒されて顔と言わず頭全体をベロンベロンと……。


衆人監視の中で、あんな辱しめを受けたら、お婿に行けない(はぁ~と)。


まあ、親愛の印でっていうのは、分かってるけどね。


ただ、相手が魔物モンスターであればそんな冗談では済まない。

何も出来ないまま、命を散らしてしまっていただろう。


実際、何年かに1度、女子供がゴブリンに襲われるという事件が起こっているらしいので、そういう身近な危険があると言える。


「とりあえず、ステータス的にも自信が付いてきたし、祭りが落ち着いてきたら、森の探索にもいってみようかな……。」


今のステータスなら、ゴブリンに後れを取らずに済むだろう。


あとは、能力アビリティの育成だ。


俺のご意見番、カルロス爺さん曰く

職業ジョブレベルなんて、なかなか上がるもんじゃないぞぃ。

能力アビリティにしても職業ジョブレベルに依存しているものもあるからの~。

ただ、技とかは、経験値が蓄積される事で、能力アビリティレベルが上げられるからの……魔力の続く限りひたすら回数をこなすのが吉じゃろうな。」

との事であるため、

俺の場合、重打ヘビーヒットを使いまくる必要がある。


使った環境によっても経験値が違うが、一人前になるには最低5万回、中堅で最低10万回、ベテランで最低20万回だそうだから、

1日20発重打ヘビーヒットを放っても単純計算で7年近くかかるという……。


「千里の道も1歩から~♪」


とは言え、俺はまだまだ3歳児。


まだ慌てるような時期じゃない。


泰然自若として棒術の鍛練に移行する俺であった。



ーーーーーー


主人公のステータス

名前:アルベルト=ガルシア

種族:人

性別:オス

年齢:3歳

身長:97cm

体重:15kg

出身地:カルベリオ村

所属:なし

カルマ:-1

モラル:-2


Lv:33

状態:正常

体力:23/23

魔力:4/4

筋力:17

反応:13(➕1)

耐久:13

持久:12

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士Ⅰ

能力アビリティ:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打ヘビーヒット

技能スキル:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ

加護ギフト:なし

装備:×牛引きプラウ、麻の服、木皮の靴

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