第3淡 対カラスその1
「せいっ!せいっ!せいっ!」
ドカッ……ドカッ……ドカッ……
「ギャアギャアギャアッ!」
慌てたように空へと舞い上がるカラス達。
地面に這いつくばって動かなくなったカラスが数羽。
「チッ、何羽か討ち漏らしたか……。」
朝方、モグラ達を倒した事によってレベルアップを果たした俺であるが、間髪入れずに次の戦闘に移行していた。
用を足しに行っている間にモグラの死体に群がっていたカラス達を相手にしていたのである。
まあ、無害な幼児の振りをして近付き無警戒のカラスに情け容赦ない攻撃を加えただけであるが……。
モグラをついばむ事に夢中になっていたカラスは、仲間が次々とやられていくのに気付かずバタバタと昏倒させられ、残り2~3羽になって漸く荒れ狂う木の棒の脅威に気付き、一目散に逃げ去ったのである。
「もう俺は言い訳なんかしない。強くなるために俺の糧となってくれぃ!」
俺は、そう覚悟を決めると昏倒した烏達にとどめの一撃を加えていった。
カラスもガッツリ倒してその数、10羽。
我ながら上手くいったものだと思う。
鑑定単眼鏡で覗くと……
種族:スモールクロウ
状態:死亡
体力:0/1
魔力:0/0
筋力:0.3
反応:6
耐久:0.2
持久:4
「う~ん、魔力もないし、ただの動物?スモールクロウっていうのもただの小さいカラスって事だろうしね……。」
天に召されたカラスを眺めながら、ついつい渋い顔をしてしまう。
レベル上げはしたいが、ただの動物を一方的にタコ殴りにするのはやっぱり呵責がある。
そのため、その思いを払拭するように頭を振って自分のステータスを確認する事にした。
「レベルは上がったかな?ステータスオープンっ!」
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:96cm
体重:15kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:2
状態:正常
体力:2/2
魔力:0/0
筋力:2
反応:3
耐久:2
持久:2
職業:戦士0
能力:棒術経験値向上F、棒威力向上F
技能:棒術0
加護:なし
装備:木の棒、麻の服、木皮の靴
「おおおっ、レベルアップしてるし、結構色々なステータスも上がってる!? …………そして、何かがマイナスになってる……一定以上に下がったら力の暗黒面に堕ちるとかないよな…………。」
だが、俺は強くならねばならぬ!
……別に大した目標はないけどね。
悪と呼ばれても今は実力を付ける事が優先である。
親父ことアレハンドロ曰く
「外は危険がいっぱいだ。母さんの言う事をちゃんと良い子にしてないとオーガの群れがやってきて、頭からバリバリ食べられちゃうぞ!」
だからな!
いや、今のは子供の躾のための発言だったのはバレバレだけど、
その他にも
「今年はゴブリンが多い……家畜を狙われないように牧場の巡回を増やさないといけないな。それに女子供の一人歩き避けるように村に徹底しないと……。」
と言ってたし。
これってカルベリオ村の近辺にゴブリンが出るって事だからね。
しっかり備えておかないと。
えっ、子供の一人歩きはダメじゃないのかって?
精神的にはは大人です(キリッ
そんなわけで、今後のため、ある程度強くなるというのが目標っちゃ目標かも。
よし、一度、昼食に戻ったら、午後からも引き続きレベル上げこと小動物タコ殴りをしよう……。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:96cm
体重:15kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:2
状態:正常
体力:2/2
魔力:0/0
筋力:2(➕1)
反応:3
耐久:2(➕1)
持久:2(➕1)
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士0
能力:棒術経験値向上F、棒威力向上F
技能:棒術0
加護:なし
装備:木の棒、麻の服、木皮の靴