表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作業ゲー的異世界転生  作者: 蜜柑太郎
第1章 ホイホイ
23/466

第23淡 対スライムその19

ドゴンッ


調整池中に響きそうな大きな音とともに樹が激しく揺れる。


「この手応え、たまりまへんな~。」


エセ関西弁になってしまう程、気分爽快な一撃に酔いしれる俺。


重打ヘビーヒット能力アビリティを得てからのこの3日間、その検証に明け暮れていたのだが、

自分の攻撃の威力が増す感覚の虜になってしまっていたのである。


「カ・イ・カ・ン……ってやつだな。」


満足そうに頷いている俺だが、ただ漫然と重打ヘビーヒットを放っていただけではない。


そこはちゃんと色々な条件で使ってみて、その特性を明らかにしていた。


「フッフッフッ……元々持っていた棒威力向上Eにより攻撃の威力は1.4倍、

そこに重打ヘビーヒットFで1.2倍で、

計1.68倍。

……更にこの2つの能力アビリティは、基礎となる攻撃の威力との掛け算となるから、助走をつけたりして威力を増せばそれに1.68掛けで……

最大通常攻撃の2~3倍威力がある攻撃が放てるぜっ。」


その上、職業ジョブによる補正もあり、普通の村人からするととんでもない威力だ。


ただ、問題もないわけではない。


いくら堅い樹が先端部に使われているとはいえ、木製のスコップでは、武器としての耐久力が心許ないのである。


現に何回かのMAX攻撃で、所々が欠けてきていた。


「……う~む、金属製の得物をそろそろゲットしないといけないな……。」


どこから金属製の得物をゲットするか思案を巡らせながら、スライム溜まりを覗くと、調整した通りビッググリーンスライムが6匹とグリーンスライムが5匹居る。


あと小一時間程で、スモールイエロースライムの姿が拝めるはずである。


「さあ3日振りのバトル……楽しませてくれよ~。」


俺の方も、やる気満々で待機。


待機前にいつも通り石を集めたりとか下準備は当然やったけどね。


そこに1匹、また1匹とスモールグリーンスライムが加わっていき、あと1匹で連鎖的に合体すればという所までくる。


「イエロースライム……どんな奴なのか。」


俺の方も準備万端、鑑定単眼鏡モノクルアプライザーを手に持ち、いつでもばっちこい状態だ。


そんな俺の前をぷよぷよとスモールグリーンスライムが横切り、ついにはスライム溜まりに落ち、合体による微かな光が連続する。


「……おお~、これはこれは……確かに見た目からしてイエロースライムだ。」


光の後に残っていたのは、スモールグリーンスライムと同じ30㎝くらいの黄色い半透明のスライム。


鑑定単眼鏡モノクルアプライザーで透かさずステータスを確認する俺。


種族:スモールイエロースライム

状態:正常

体力:20/20

魔力:5/5 

筋力:5

反応:3

耐久:10

持久:7


「う~ん、ビミョー……っというか弱い。」


ビッググリーンスライムのステータスが

体力:24/24

魔力:4/4 

筋力:5

反応:2

耐久:10

持久:7

だったから、一応、魔力とか反応は上がってるんだけど……ビミョー。


別に強い魔物モンスターを期待してたわけじゃないよ?


下手して負けてしまったら、経験値稼ぎって目的どころじゃないわけだしね。


ん~、でも、やっぱりビミョー。


経験値としてもあんまり大した事なさそうなんだよね。


「……き、気を取り直して……そいっ!」


俺は、スモールイエロースライムの実力を確かめるべく石を投げる。


ボスッ


ちょっと避けそうな素振りも見えたが、普通に当たる。


あ、でも、まあまあ耐久力があるのかグリーンスライム程、石の当たった衝撃で崩れる体片の量は少ない。


再び鑑定すると体力18/20になっている。


「っという事は……それそれそれっ!」


石を8回程投げて3度目の鑑定。


見るからに弱っているスモールイエロースライムは、体力2/20だった。


一投あたり2ダメージ受けてるのね。


「これで終わりかな?……ほいっ!」


10投目となる投石が命中すると、フシュー音とともに地面に溶けてしまうスモールイエロースライム。


「俺のレベルは……あれ?上がってる!

ビッググリーンスライムより楽に倒せたのに不思議だ……。」


戦った実感のないままレベルアップしている俺。


なんとも狐につままれたような感覚だ。


「……スライムが実力を発揮する前に倒してしまったのか?

何れにせよ勝って兜の緒を締めよじゃないけど、気が弛まないようにしないとな。」


そこで、ふとスライム溜まりにウニョウニョと動く物体。


何かと思って視線を向けるとスモールグリーンスライムだ。


スモールグリーンスライム溜まりにスモールグリーンスライムが居る。


うん、ごぐごく自然な事だ……


「……っていつの間に!?」


調整池から来たのであれば、俺も途中で気付くし、そもそも調整池で発生するサイクルにしては早過ぎる。


「別に居たのが、横の草むらとかから這い出してきて落ちたのか?なんだか不吉な予感がする……。」


30分後…………はい、スライム溜まりでもスモールグリーンスライムが湧くようになってました。


ペースは、調整池の約2倍。

つまり、調整池一帯としては約3倍の湧き具合になったという事である。


「スライム溜めて倒してたら、魔素的なのもここに溜まっちゃったのか……これってヤバくないか……。」


しかし、現時点で解決法は見出だせない。


「カルロス爺さんに聞くしかないか……

ん?……いや、でもよく考えたら経験値稼ぎ的には調度良い気も……。」



…………結論。

さぁ~、明日もバリバリ狩るぞ~。


自分の利益のために、スライム溜まりを活用する事に決める俺であった。



ーーーーーー


主人公のステータス

名前:アルベルト=ガルシア

種族:人

性別:オス

年齢:3歳

身長:96cm

体重:15kg

出身地:カルベリオ村

所属:なし

カルマ:-1

モラル:-2


Lv:23

状態:正常

体力:21/21

魔力:3/3

筋力:15

反応:11

耐久:11

持久:11(➕1)

※( )内は、前話からの変化値


職業ジョブ:戦士Ⅰ

能力アビリティ:棒術経験値向上E、棒威力向上E、重打ヘビーヒット

技能スキル:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ

加護ギフト:なし

装備:溝堀りスコップ、麻の服、木皮の靴

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ