第21淡 対スライムその17
「光になれぇーっ!!」
俺は、ビッググリーンスライムの核へと最後の一撃を加える。
いや、光にはならないんだけど、とどめの一撃に思いを乗せてみたんだよ?
聞き慣れたフシュー音で、地面に消えていくビッググリーンスライム。
「これで、5匹目か。ステータスオープン……うんうん、レベルが上がってる♪」
Lv20を達成してから、3日経ってい
た。
今朝のビッググリーンスライムでようやくレベルが上がったのである。
予想通りなら、更にレベルアップするにはビッググリーンスライム相手だと丸3日かかる算段になる。
そろそろビッググリーンスライムを合体により上位種に進化させなければいけないな。
幸いな事に昨日までの2日間で、スライム系の魔物の情報は仕入れてある。
「カルロス爺さん様様だな。ほんと四六時中酔っ払ってるくせに、物知りなんだよね~……年の功ってやつかな?」
俺的にカルロス爺さんは、知識人としての評価は高いが、常識人というか人間としての評価は低めだ。
だって昼間から酒飲んでる人とか嫌でもそういう見方になっちゃうでしょ?
本人曰く「酒は、神が与え給た清らかなる水。日々の感謝忘れなければ、この恩恵を享受するのに何の遠慮があろうかの。」
いずれにしても、知識人として評価しているので、情報の信頼度は高い。
「え~っと……グリーン、イエロー、オレンジ、ブラウン、レッド、パープル、バイオレット、ブルー、グレー、ブラック、ダークの順だったっけ。」
俺が今、口に出した順で上位種が存在するとの事。
他にも育った環境によって
ブロンズ、アイアン、シルバー、ゴールデン等、俗に言うメタルスライム系や、
ポーションスライム、ポイズンスライム、パラライズスライムと呼ばれる薬草や毒草を取り込んだスライム、
レアな所では、人々に幸運をもたらすというレインボースライム、人間に味方するホワイトスライムなんてので様々なバリエーションが存在するみたいだ。
「バリエーションはともかく、上位の段階が多過ぎだな。この場所でダークまで発生させようと目論んだら……
3日半でスモールイエロースライム、
22日半でイエロースライム、
2ヶ月ちょいでビッグイエロースライム、
半年でスモールオレンジスライム、
3年半でオレンジスライム、
22年半でビッグオレンジスライム、
157年半でスモールブラウンスライム
…………う~む無理。
いくらレベルが高くなると寿命も延びるらしいとは言え、スモールブラウンスライムが限界だろ。」
もちろん、そんな事に人生全ての期間を費やすつもりはない。
妥当な線としては、イエロースライムまでで経験値稼ぎの場を変えるという案だ。
ゴブリンで得られる経験値がどれ程かは、分からないけれど、ステータス的にはビッググリーンスライムより強いから、それだけの経験値もあるはずだし、
森の奥には、もっと強い魔物が居るかもしれない。
「スライム系以外の魔物情報も逐次仕入れていかないとだな……。」
ちなみに既にスモールイエロースライム溜まりは完成している。
一応、イエロースライム溜まりも構築中という進捗状況だ。
「とりあえず、スモールイエロースライムへの切り替えは、安全策を採って次のレベルアップ後にしとこう。」
スライム叩き、穴堀り、棒術の鍛練、ときどき一家団らん……このローテーションが俺の日常だ。
まだしばらくは、これが続きそうである。
ーーーーーー
主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:96cm
体重:15kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:21
状態:正常
体力:21/21
魔力:2/2
筋力:15(➕1)
反応:10
耐久:11(➕1)
持久:10
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士0
能力:棒術経験値向上F、棒威力向上F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ
加護:なし
装備:溝堀りスコップ、麻の服、木皮の靴




