第20淡 対スライムその16
「えっさほいさ……えっさほいさ……。」
スコップを巧みに操り、穴を掘るどうも俺です。
ビッググリーンスライムを直接攻撃だけで倒してから2日後、今は、ビッググリーンスライム溜まりから更に一段掘り下げた次のスライム溜まりを構築中であった。
横からの断面図はこんな感じね。
__ _
\_△ |
↑ \_△ |
小 ↑ \_△ |
中 ↑ \_|
大 ↑
NEW!
※△は堰、小の位置はスモールグリーンスライムの溜まり場、中はグリーンスライムの溜まり場、大はビッググリーンスライムの溜まり場。
そう、ビッググリーンスライムの次の経験値獲得源を見据えた行動である。
現在、レベルを1つ上げるのにはビッググリーンスライムを4匹くらい倒さなければいけない見積もり。
そうなると2日間必要になるわけだ。
そして、この日数がレベルの上昇によってこれからどんどん増えてくる事が予想される。
「これまでの法則から言えば、ビッグちゃんが7匹、つまり3日半あれば、更に上位種が生まれる。
……それなら、レベルアップに必要な日数がビッグちゃん相手だと3日半以上かかるようであれば、上位種を待って戦った方が経験値稼ぎの効率は、良くなるはずだな。」
そういうわけで、未来への投資をしているのだ。
「ふぇ~、これまた結構な工事量になるな~。」
ぼやきながらも一心不乱に掘り進める俺。
休憩や気分転換に棒術の鍛練を挟みながら、昼近くになっていたので1度昼食を摂りに集団保育所に戻る。
で、ヤギのミルクと固いライ麦パンをかじると狩り場にトンボ帰り。
「昼イチ湧いてるはずのビッグちゃんで、レベルアップするから……それでLv20達成か~。」
俺は、トコトコと調整池に向かいながら、うんうんと頷く。
「身体が出来ていない分、レベルの割にステータス低めかもたけど。
それにしたって3歳児としては、破格のステータス値だぜっ♪」
思わず腕を曲げて力こぶを作ろうとするが、ぷよっとした幼児の腕でしかない。
残念だが、そういう男らしい身体付きになれるのはまだまだ先になりそうである。
「よし、ビッグちゃんも予定通り湧いてるし、Lv20……いっちゃいますかっ♪」
調整池に辿り着くとスライム溜まりに生まれたビッググリーンスライムへと身を踊らす。
最後にレベルが上がってから4匹目なので、レベルアップの確率は高いだろう。
バチンッバチンッバチンッ
テンションが上がっていたので、いきなり近接戦闘からだ。
「もうお前じゃ、俺の相手は務まらないぜぃ♪」
もはや倒し慣れたもので、スコップの振り下ろしラッシュからの3連続突き。
ビッググリーンスライムは、核をかち割られるとフシュー音をさせて地面に消えていった。
「さてさて、お待ちかねのステータスチェックだな。……ステータスオープン!」
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:96cm
体重:15kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:20
状態:正常
体力:21/21
魔力:2/2
筋力:14
反応:10
耐久:10
持久:10
職業:戦士0
能力:棒術経験値向上F、棒威力向上F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ
加護:なし
装備:溝堀りスコップ、麻の服、木皮の靴
「…………Lv20、キタ━(゜∀゜)━!」
小躍りしてしまう俺。
「しかも、棒術も一人前レベルになってるし!……なかなか良いじゃないのこれ。」
村人の大半を占める農民の平均レベルは20。
そのステータスと比較すると、やや筋力が高く、魔力が低い。
ゴリゴリな近接戦闘タイプという感じだ。
幼児という身体が未発達な事を加味すれば、成長により何もしなくてももう少しステータス値は上がるみたい。
職業を早めに選んでおく事で、自分の戦法に合ったステータス値上げが出来ているし、正解であったと言えよう。
「……あとは、ビッグちゃんの上位種がどんなかだな……。種族的にスピードはなさそうだけど魔法とか強化されてそうだな~。
カルロス爺さんなら何か知ってるかもしれないし、帰りに寄ってみるか。」
既にビッググリーンスライムの先に思案を巡らす俺であった……。
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主人公のステータス
名前:アルベルト=ガルシア
種族:人
性別:オス
年齢:3歳
身長:96cm
体重:15kg
出身地:カルベリオ村
所属:なし
業:-1
徳:-2
Lv:20
状態:正常
体力:21/21(➕2)
魔力:2/2
筋力:14
反応:10(➕1)
耐久:10
持久:10(➕1)
※( )内は、前話からの変化値
職業:戦士0
能力:棒術経験値向上F、棒威力向上F
技能:棒術Ⅰ、投擲術Ⅰ
加護:なし
装備:溝堀りスコップ、麻の服、木皮の靴




